都立城東vs都立大島海洋国際
梅雨の中休み、というには少々夏の匂いが色濃い7月12日、明治神宮野球場では2回戦2試合が行われた。 第1試合は、都立城東対都立大島海洋国際。99年01年と2度の甲子園出場経験のある都立城東は、昨夏、5回戦進出。そして、今の3年生が1年生だった2年前の夏は準々決勝に進んだ「都立の星」。先輩たちが築いてきた歴史を、自分たちも塗り替えていきたい。一方、夏の大会初勝利を目指す都立大島海洋国際。開校10年の記念の年に、新たな一歩を踏み出すことができるのか。両校の対決は日差しがまだやや穏やかな8時34分、プレーボールとなった。
初回、都立城東は5番・木曽 太賀の2点タイムリーで先行する。その裏の攻撃、都立大島海洋国際は、都立城東ナインの不安定な立ち上がりを突き、四球とエラーで無死二、三塁のチャンスを作る。3番・安中 渓太の打席でキャッチャーが後ろに逸らす間に、三走の中村 彰伸が本塁に突入。ブロックをかいくぐり1点を返す。さらに都立大島海洋国際は3回表、一死満塁のピンチを切り抜けるとその裏、一死二、三塁から4番・酒井 海大が犠牲フライを放ち、同点に追いつく。この試合での奮闘ぶりにじわりじわりと数を増やしていった球場の都立大島海洋国際ファンが大盛り上がりを見せる。
都立城東は続く4回、攻撃に入る前にベンチ前で車座になり気持ちを込めなおす。すると、この回先頭の8番・橋内 大昂の当たりはスイスイと伸び、ライトフェンスギリギリに吸い込まれるソロホームランに。都立城東があっという間に再びリードを奪う。この回更に1点、そして6回に2点、7回に3点と小刻みに点を重ねた都立城東が、9対2の7回コールドで勝利、3回戦へと駒を進めた。3回戦は7月16日、朋優学院と対戦予定だ。
コールドゲームとはなったものの、点差ほどの圧倒的な力の差は感じられなかった。これまでの両校の歴史を見れば、この試合の都立大島海洋国際の善戦ぶりが目を引くと言ってもいい。都立大島海洋国際の落ち着いた守備、特に内野陣の鍛え上げられた守備に球場がうなる場面が多々あった。夏の勝利はまたもお預けとなったが、確実に力はついている。中盤以降の身体と精神のスタミナをつけることができれば、また一皮むけそうだ。次以降の戦いぶりを楽しみにしたい。
(文=青木 有実子)
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