圧巻の投球が続く西武・菊池雄星は後半戦のキーマン ©BASEBALLKING

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 眠れる怪物左腕に「ようやく」覚醒の兆しが見え始めた。

 西武の菊池雄星は、7月5日のロッテ戦で今シーズン10試合目の先発登板。7回と1/3を2安打1失点に抑える好投で、今シーズンの5勝目を挙げた。

 これでここ5試合は4勝1敗。なんと5試合続けて被安打は3以内という圧倒的な投球を披露した。

 “最速左腕”として甲子園を沸かせたあの夏から早6年…。24歳になった男は、ついにその才能を開花させようとしている。

 09年秋のドラフト会議では6球団が1位で指名し、抽選の結果西武への入団が決定。くじを引き当てた渡辺久信監督(当時)の「運命を感じています」という一言が印象に残っているファンも多いことだろう。

 しかし、プロ入り後は5年間で22勝。故障を繰り返すたびにファンは「またか…」とため息を漏らし、「もう終わったのでは」という声まで上がる始末。期待も大きかった分、その反動は大きかった。

 今シーズンも、左ヒジの炎症を起こしたことから調整が遅れ、開幕は絶望。さらに自身の開幕となった4月28日の試合から4試合で0勝2敗とつまずき、スタートは最悪のものとなったが、5月30日の阪神戦に初勝利を挙げるとそこから怒涛の4連勝。この1カ月ちょっとの間に唯一喫した黒星も、内容は8回を3安打で1失点と全く悪くなかった。

 相変わらず制球に苦しむ場面は見受けられるものの、かつてのスピードが戻り、さらにキレ味を増した速球と“超”高速スライダーを武器に打者を翻弄。ゲームを支配する投球は、見る者に常に期待を抱かせる。

 2013年の6月12日、9回一死までノーヒット投球を見せた雄星は、大島洋平に安打を許して快挙を逃したという過去があった。あれから2年後の2015年6月13日、今度はヤクルト戦で8回までノーヒット投球を披露。しかし、先頭の田中浩康に安打を許して降板。「バリバリ意識した」という快挙はまたしてもならなかった。

 ここ5戦の被打率は、驚異の.094。雄星はいま、間違いなく覚醒の途中にある。あとは、“いつもの”故障を避け、万全の体調で投げて行くことができるどうかがカギとなる。

 自身初の2ケタ勝利、そして悲願のノーヒッターへ…。6年目の怪物左腕が、浮上を狙う西武の後半戦を担う。

◆ 菊池雄星の直近5試合

・6月6日 対DeNA ○

 7回(104球)被安打2 与死球2 奪三振7 失点1

・6月13日 対ヤクルト ○

 7回0/3(150球)被安打1 与四球4 奪三振9 失点1

・6月21日 対オリックス ○

 7回(103球)被安打3 与四球2 奪三振6 失点0

・6月28日 対日本ハム ●

 8回(124球)被安打3 与四球1 奪三振7 失点1

・7月5日 対ロッテ ○

 7回1/3(112球)被安打2 与四球3 奪三振7 失点1

☆5試合=4勝1敗 防0.99 被打率.094

 36回1/3 被安打11 与四死12 奪三振36 失点4(自責4)

<シーズン通算>

 10試合=5勝3敗 防2.50 被打率.163

 68回1/3 被安打38 与四死25 奪三振75 失点19(自責19)