無料の駐車スペースを見つける方法

■駐車禁止の一方通行はUターンで駐車可能

都心で駐車スペースを見つけるのは至難の業だ。しかし、元駐車監視員の松木和哉氏は、こう明かす。

「都心には、合法的に停められるのに、誰も停めていないスペースがあります。交通ルールを知っていれば、そうした場所に停め放題です」

具体的に教えてもらおう。松木氏が真っ先にあげたのは、一方通行の道路だ。

「一方通行の道路に駐車禁止の標識が出ていると、道路の両側とも駐車禁止だと考える人が多いと思います。しかし、標識が立っているのは道路の左側。つまり駐車禁止の効力が及ぶのは道路の左側だけであり、右側に停めれば駐車違反にならないのです」

ただし、これには注意点がある。一方通行の道路の右側に停めるときは、そのまま車を右側に寄せるのではなく、Uターンさせて進行方向と逆向きに停める必要がある、ということだ。なぜなら、道交法で、車両は道路の左側端に沿って停めるよう決められているから。進行方向のまま右側に停めたら道交法違反になってしまう。

また、道路の幅が狭い場合も要注意。なんとかUターンして逆向きに駐車したとしても、道路の残り幅が3.5メートル以上ないと、無余地駐車違反になる。

■パーキングメーターの枠外を有効に活用

合法なのに空いているスペースはほかにもある。パーキングメーターの枠外だ。

パーキングメーターの中には、平日限定のものや時間帯限定のものがある。指定された曜日や時間帯なら、当然、車は枠内に駐車しなければならず、枠外に駐車すると違反になる。しかし、指定外の曜日や時間帯、つまり週末や夜間は事情が変わってくる。曜日や時間帯指定のパーキングメーターにも2パターンある。一つは、駐車禁止エリアのパーキングメーター。この場合はもともと駐車禁止なので、指定外の曜日や時間帯は枠内・枠外、ともに駐車できない。

一方、駐車禁止でないエリアに設置されているパーキングメーターもある。こちらの場合、指定された曜日や時間帯は枠内に停める必要があるが、それ以外の曜日や時間帯なら枠外に駐車しても違反にならない。

「枠があるとその中に停めなければいけないという心理が働くのか、週末や夜間は枠外が空いていることが多い。絶好の駐車スポットです」

駐車ルールを熟知していれば、いま紹介したようなスペースに堂々と駐車できる。ただ、駐車監視員は、法律スレスレの駐車を目の敵にする傾向があるという。

「自分たちが挑戦されているような気がして、ほかのところで違反をしていないか、躍起になって粗探しをしたくなるのです。消火栓から5メートル以内、車庫の出入り口から3メートル以内の駐車は違反ですが、裏技的な駐車をするときは、こうした細かい違反に注意したほうがいいでしょうね」

(文=ジャーナリスト 村上 敬 答えていただいた人=元駐車監視員 松木和哉 図版作成=ライヴアート)