22日から始まる都と区市町村主催の「駅前自転車クリーンキャンペーン」のポスター。(提供:東京都)

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東京都内では、11万台の自転車が鉄道駅などの周辺に放置され、障害者や一般歩行者の通行のさまたげとなっている。こうした状況の改善を目指して、都と区市町村主催の「駅前自転車クリーンキャンペーン」が22日から始まる。今回で23年目を迎える同キャンペーンの標語は「困ります! 自転車置きざり 知らんぷり」。キャンペーンは31日まで。

 東京都の調査によると、1990年の放置自転車数、24万3000台をピークになだらかな減少を始め、過去5年間に8万4000台縮小し、05年には過去最低の11万4000台にまで減少したした。ちなみに、05年の駅前放置台数のトップはJR池袋駅の2086台。2位はJR大塚駅の1928台で、前年同様の順位であったが、両駅ともに小幅ながらの減少が見受けられた。3位は前年13位だった新宿駅の1584台で、前年より279台増加した。

 こうした放置自転車の状況改善のために、昨年費やした対策費は区市町村合わせて134億円。このうち、駐輪場の設置・整備に約27億円で、自転車駐車場の管理、自転車の撤去、広報の費用が約107億円。放置自転車の減少に一定の効果が出ているとはいえ、自転車の利用者による協力を得て、経費を減らしたいのは言うまでもない。

 利用者個人が駐輪場を1カ月借りる場合にかかる費用は、平均で2000円、預け入れが1日1回であれば約100円という。一方、自転車を放置したままで撤去された場合、2000円から5000円の撤去費が請求される。自分は大丈夫と思っていても、ある日気が付いてみれば、駅前に駐輪したはずの自分の自転車が撤去されていた――などということになれば、取り戻すには結構高くつく。

 都の青少年・治安対策本部の大矢和男係長は、「駐輪場の立体化や新機材の利用などでスペースの有効利用が進んでいますが、駅前の駐輪場にはスペースが限られています。自転車の利用者に駅まで多少歩く駐輪場を受け入れてほしいですね」と語り、今回のキャンペーンでさらなる成果を期待する。【了】