28日、国会内で行われた記者会見で謝罪に至った経緯を説明する民主党の永田議員。(撮影:吉川忠行)

写真拡大

ライブドア前社長の堀江貴文容疑者が2005年8月26日、自民党の武部勤幹事長の二男へ3000万円の送金をメールで指示したと指摘した民主党の永田寿康議員は28日、国会内で記者会見を開き「多くのみなさまにご迷惑をお掛けし、国会を混乱させてしまったことにお詫びを申し上げます」と陳謝した。議員辞職については「もはや私の主観的な思いで、身の振り方を決められる段階ではない」と世論を踏まえた上で、幹事長に一任する意向を示した。

 同党の鳩山由紀夫幹事長、野田佳彦国対委員長が同席する中、神妙な面持ちで現れた永田氏は、ゆっくりとした口調でこれまでの経緯を説明。同氏によると2月1日、昨年から情報交換など親交のあった元記者の仲介者と会い、ライブドア関連の情報について提供を受けると、同6日ごろにメールのコピーが持ち込まれ、様々な情報を得た。その後、永田氏自身で情報の確認作業を行った。8日ごろ、メールが真正なものとの確信を持った永田氏は、野田氏と会い、コピーを見せながら、委員会での質問について相談した。その際、野田氏からは、信ぴょう性の確認、情報提供者を守ること、経験豊富な同僚議員などに相談するよう指示を受けた。同11日には、テレビ局のスタジオで前原誠司代表に同メールのコピーを見せ、同13日に予算委員会で質問に立つことが内定。16日の予算委員会の質疑に至った。

 予算委員会で示したコピーに塗りつぶした部分があったことについて、永田氏は「仲介者から『情報提供者からの指示なので塗りつぶしてくれ』といわれたので従った」と説明。受け取った時から塗りつぶされていた差出人欄(From)は「堀江氏のアドレス」、あて先欄(To)は「情報提供者のアドレス」と、仲介者からの情報を根拠に認識したため、質疑の段階ではメールの送受信者が同一人物だったことは知らなかったとした。

 メールの信ぴょう性について「十分な立証が果たせていないのは事実」としたものの、「しかし、内容がまったくの事実無根であるのか、一定程度の事実を含んだものなのか、現在も様々な調べが残っている」と調査を継続する構えを見せた。今回、一転して謝罪に至った理由については「問題点について、一つ一つ論証していくのが私の力では困難だと思った」と釈明した。

 質疑を行った16日から23日水曜日まで1週間、永田氏は連日、仲介者との間で、どの程度まで公表できるか交渉したが、情報提供者を守る観点から「状況を十分に前進させることができなかった」という。また、これまで情報提供者との面談がなかったことを明らかにし、仲介者や情報提供者の名前の公表については「情報提供者を守るのは、党にとっては信用を左右する重大な問題。わが身を守るために名前を出すことはできない」と否定した。

 武部幹事長や同氏の二男に対しては「個人的な確信を持っていたとはいえ、十分な調査をせずに質問をし、その中で私人の名前を挙げて追求したことについては大変申し訳ないと思っている」と述べた。【了】

■関連記事
【続報】永田議員が謝罪会見
【速報】永田議員、謝罪会見