――家入さんが何かに対して“愚か”と感じるのは、どんな時ですか?

家入:デビューしてから特に、自分に対して愚かと言うか、至らなさを感じる時が増えましたね。デビューから10年、20年の先輩方と同じステージで音楽をやるわけじゃないですか。その人達に追いつけなくて当然という言い方も嫌なんですけど、ちょっとでも頑張りたいし、そういう方達に近付きたいし。

間違えて、周りの人達に助けられて、を繰り返していく中で「愚かだな」と思うけど、みんな完璧だったら、愛の意味とか優しさを感じる事が無くなると。『Nのために』を読んで、“愚か”だからこそ凄く愛おしい部分だなと思ったんです

だから、突き放して『Silly』と言ってるわけじゃなくて、抱き締めながら「愚かだね、私達」と言ってるような。今回は一歩引いた感じで歌詞を作っていけたかなと思いますね。

――物語の登場人物や、実際の家入さんの友人と比較して、自分自身については、どのように自覚していますか?

家入:頑固さもありますし、凄く幼いですね。あとは答えがちゃんと分かってるのに、分からない振りしちゃったり、結構そういうのありますね。私は、友人や周りにいる人達を振り回しちゃうタイプなので(笑)、安定してる人を見ると凄いなと思います。

――家入さんが親しくなる人は、どんなタイプの人が多いですか?

家入:友人は自分とは違うタイプが多いですかね。上京してきて、高校在学中にデビューしたのもあって、東京に友達自体そんなにいないというのもあるんですけど。

私の場合だけかもしれないですけど、音楽って結構、同じ固定メンバーでずっと走って行くようなイメージがあって。17歳でデビューすると、どう考えても私が一番年下じゃないですか。皆さん大人なので、凄く優しく接していただいたり、優先してくださるので、そういう部分でもやっぱりちょっと子供なのかなと。

――自分自身に対して、実際とは異なるイメージを周囲から抱かれた経験はありますか?

家入:凄くあります。デビュー当時とか特に、実際そうじゃないんですけど「大人っぽいね」と言われる事が多くて。あと「生活感がないね」とは凄く言われてましたね。「家に冷蔵庫あるの?」ってライターさんに聞かれた事があって、「おぉ…」と思った事はあります(笑)。