豊田陽平 (撮影/岸本勉・PICSPORT)

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69分、ゴール前で香川真司がチャージされ、ボールが転がった。そこに出てきたのは6分前に投入されたばかりのストライカー。185センチというチーム一番の長身選手が、とても慎重にゴールに押し込んだ。

「やっと決めることができました。こぼれ球でしたけど、『来い!』と思っていました」

J1で3年連続15得点以上を挙げているストライカーが、代表5試合目にしてやっと1点を挙げることができた。

実は豊田陽平は合宿に入ってから試合前日まで、半信半疑だった。

「このタイミングで呼ばれるとは思っていなくてサプライズです。年齢的にも若い選手が呼ばれていたのでビックリしました」

これまで豊田は代表に呼ばれても、なかなか結果が出せなかった。前線でぽつんとクロスを待つのだがボールが供給されなかった。

「(ザッケローニ監督には)深みを取れと言われたので、そのとおりにしていたら孤立してしまいました……」

だから慎重になっていたのだ。

だが、自信はもちろん持っていた。4-3-3の経験はあまりないとしながらも、「ゴール前のポジショニングだったらフォーメーションなんて関係ない。そこで勝負できればいい」と意欲は見せていた。

そしてホンジュラス戦では、いろいろな選手がパスを供給してくれるようになった。
「動き出しに対して出してくれたというのは僕の中では大きな一歩でした」

もちろん反省も忘れてはいない。79分、豊田はゴール前の決定的なチャンスを決めることができなかった。
「(本田)圭佑からいいボールが来たし2点目を取れるチャンスもあったので、反省します」と目を伏せる。

だが、うれしさは隠せなかった。

「でもゴールが取れたのでまた一歩進めた思うので、それはポジティブに捉えていきたいと思います。少し楽になったのはあるかもしれません。これまでもそれなりにやってきた自負はあるので、これからも積み重ねていきたいと思います」

いつもは強面に見える豊田の表情が、試合後は少し和らいでいた。

【取材・文/日本蹴球合同会社 森雅史】

▼ 香川真司、本田圭佑、豊田陽平

(全ての撮影は、岸本勉・PICSPORT)





▼ 香川真司



▼ 酒井高徳



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▼ 長谷部誠



▼ 長谷部誠



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▼ 武藤嘉紀



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