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NTTドコモが31日に公表した2015年3月期第2四半期決算は、音声通話定額の新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」が原因で業績が大幅ダウンしたが、同様のプランを出したKDDIはどうだったのか。KDDIの田中孝司社長は同日、2015年3月期第2四半期の決算発表会で同社の現況について触れた。

同日、早い時間に行われたNTTドコモの決算発表会では、同社の加藤薫社長が音声通話し放題の新料金プラン「カケホーダイ」について"人気が出過ぎたため"に減収になったと報告している。1000万契約を達成した一方で、音声通話による収入が前年同期と比べ542億円減少し、通期でも当初予想よりも1,200億円のマイナスが見込まれている。

これについて記者団からコメントを求められると、田中社長は「ドコモさんの利用者は、(よく電話をして)データ通信はあまり利用しないという人が多かったのかな? 他社さんのことなので、よく分からないけれど」と答えた。KDDIでは、新料金プラン導入による影響は限定的だという。ARPU(1契約者あたりの利用料)も順調に伸びているとのことだ。

KDDIの場合、MNP市場が縮小したことで収益に影響が出た。田中社長は「今年は、契約者があまり動かなくなっている。競争力は3社の間で変わっていない。うちの方が競争力があるので、MNP市場が盛り上がってくれたら、もっとお客さんが来てくれるのに」とコメントした。今年はタブレットの出荷が好調で、純増数としては増加傾向を維持しているという。

KDDIでは今後、どのような戦略で契約者を獲得してゆく考えだろうか。田中社長は「新規契約者はレイトマジョリティに移りつつある。通信会社を変更せず、ステイするお客さんの方が多くなる。最近は、提供する端末にも差がなくなってきた。我々としては、サービスやネットワークなどで差をつけたい。お客さんに刺さるようなサービスを提供していかなければ。そういう意味で、まだ努力が足らない」とコメント。「なんやこれ、というサービスを開始していきたい」と話し、年末に投入を予定しているFirefox OSを採用したスマートフォンにも期待を寄せた。

(近藤謙太郎)