いぶし銀がギラギラ輝いた夜 ／ ガーナ戦
香川真司のドリブルシュートで会場のムードは一気に変わった。本田圭佑のヘディングを観客は待ち望んでいた。だが、この日一番結果を出したのは遠藤保仁だ。1ゴール1アシストで3-1の勝利に貢献したのだ。
「（ゴールは）シュートレンジでしたし、コースはあまり良くなかったのですが、まぁ入ってよかったかなという感じです。（本田）圭佑もいいタイミングで落としてくれましたし、ワントラップ目が決まりさえすれば（シュートにいこうという）イメージは持ちながらプレーしました」
だが、遠藤が輝いたのはこの場面だけではない。遠藤は試合前にザッケローニ監督からこんな指示を受けていた。
「相手のフィジカルは強い。走らせたら速いので、できる限り高い位置までボールを運んでいくということ。カウンターの基点になる選手をフリーにさせないこと」
だから中盤で出足鋭く相手に絡みコースを限定し、サイドにマークする相手が流れ、スピード勝負を挑まれても食らいついていった。
「カウンターの鋭いチームに対しては、できる限り自分たちにとって高い位置で攻撃を遅らせなければならない」と、好パスを出す以上に厳しいチェックを見せたのだ。
日本代表が攻守に安定感を取り戻しつつあるのは、全体の守備意識が高まったのと同時に、ボランチが一層献身的になったことも大きな要因だろう。もちろんまだ問題点は残る。「カウンターではより相手の嫌なところを消せるようにやっていきたい」と遠藤も振り返る。
まだ課題は残っていたとしても、このガーナ戦はこれまで以上に遠藤の存在感が浮かび上がったゲームとなった。
キリンチャレンジカップ2013： 日本 3―1 ガーナ
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