2月11日、鳩山由紀夫元総理と邦夫元総務相の母親、安子さん(享年90歳)が多臓器不全で死去した。
 “政界のゴッドマザー”と称された安子さんの遺産は300億円とも目されているが、なんと由紀夫氏がこの莫大な相続財産を投じ、財団を設立すると評判なのだ。

 政治部記者がこう話す。
 「政界を隠居した由紀夫氏は、年明けに中国外相と会談。『尖閣問題は係争地として解決すべき』と発言し、国賊呼ばわりされたが、本人は政界に未練タラタラなのです。そのため財団に目を付けたというわけ。設立財団に寄付すれば相続税がかからないばかりか、理事就任で政界への影響力も保てるという論法らしい」

 設立が注目される財団の目的は、今のところ「由紀夫氏が総理時代に唱えた東アジアを中心の友好」(同)と目されているが、気になるのは由紀夫氏が狙う莫大な遺産の内訳だろう。
 もともと安子さんは、ブリヂストン創業者である故石橋正二郎氏の長女。そのため、'91年当時にはブリヂストン株だけで1240万株を所有。また、亡夫・威一郎氏の遺産である152億円も相続していたのだ。
 「昨年公表の所得報告書を見ると、'11年に由紀夫氏と邦夫氏は、安子さんからそれぞれ24億円の現金と、ブリヂストン株100万株(時価約18億円)を生前贈与されている。これを差し引いても総額200億円前後のブリヂストン株が死去の際にあったのは確実で、他の遺産と合わせて300億円が残されたといわれているのです」(別の政治部記者)

 もっとも、由紀夫氏が財団設立でこの遺産を全てぶんどろうとしている裏には、こんな理由もあるという。
 「'96年に旧民主党を立ち上げた時の結党資金の一部である15億円は、当時の由紀夫氏、邦夫氏らが出資したといいますが、これは安子さんのポケットマネーだったとも伝えられている。そのためボンボンの由紀夫氏は、遺産を自らの出世に使うことこそ、安子さんの願いと思っているらしいのです」(鳩山家事情通)

 これが事実なら骨肉の争いとなるのは確実。今後の遺産相続が見モノである。