試合 :コパ・デル・レイ スペイン国王杯 準々決勝 1st.leg
開催日:2012年1月18日
結果 :バルセロナ勝利
スコア:「1−2」
得点者:C・ロナウド プジョル アビダル

FW:            ベンゼマ  イグアイン
MF:C・ロナウド
MF:    ラサナ・ディアラ ペペ シャビ・アロンソ
DF:コエントラン S・ラモス カルバーリョ アルティントップ
GK:           カシージャス

レアル・マドリードは「4−3−3」。3ボランチでバイタルエリアを攻略させないようにする形。それで、注目すべきは前3枚の形や役割ですが、形は、ベンゼマとイグアインがセンターと右サイドを交互にやるような感じで、左にC・ロナウド、という形でした。そして、役割は、右サイドを攻められている時は、ベンゼマもしくはイグアインが守備に下がる、左サイドは、ダニエウ・アウヴェスに合わせてC・ロナウドは動く、つまり、C・ロナウドも守備をしていた、という事ですね。

今までは、ほとんどC・ロナウドに守備のタスクを課す事はありませんでしたが、さすがにこの試合では、C・ロナウドにダニエウ・アウヴェスをしっかりとケアさせていました。そして、前半11分、ボールを奪ってからのカウンター、ベンゼマが中央で上手くボールをキープして前を向き、ダニエウ・アウヴェスの上がった裏、左サイドの縦に走ったC・ロナウドへパス。そのままC・ロナウドがドリブルして左足を一閃。シュートはGKピントの股の間を抜けて、レアル・マドリードの先制点となりました。

まさにこの形だよね。という攻撃での先制点だったように思います。7人もしくは8人で守り、そこでボールを奪ったらカウンター。3人もしくは2人ぐらいの少ない人数で攻めて、その少ない人数による連携と個人技でバルサの守備の選手の個に勝つ。バルサから得点を奪う形としては、理想的な形だったと言えると思います。ちょっと、GKピントのプレーがどうだったのか、という事はありますが、それを差し引いたとしても、形としては最高の形だったように思います。

そして、その後も守備は、バイタルエリアを攻略させない守備、プラス、ビルドアップを楽にやらせないようにするハイプレス、この2つをきちんとやる事ができていましたので、そのまま前半はレアル・マドリードの1点のリードのまま終えられたのですが、しかし、攻撃に関しては、やはりC・ロナウドがダニエウ・アウヴェスに引っ張られて低い位置に行ってしまう、場合によっては最終ラインのところまで下がってしまう、という事もあって、なかなかチャンスらしいチャンスは作れませんでした。

ベンゼマとイグアインが2トップのようになって、何とかそこで起点を作って、という事も試みていましたが、そこもやはり、どちらかは守備に後ろ髪を引かれる事になってしまうので、結局、前半のレアル・マドリードのシュート数は1本、つまり、先制点のC・ロナウドのシュートだけだった、という事でした。C・ロナウドに守備をさせないと、ダニエウ・アウヴェスまでケアできない。しかし、C・ロナウドに守備をさせてしまうと、攻撃が威力を失ってしまう。ジレンマですね。

但し、このまま1点リードで最後まで行ければ、そのままでも、という事はあったと思うのですが、後半4分、CKからプジョルにヘディングシュートを決められて、同点に追い付かれてしまいました。この失点シーンですが、プジョルのポジションに多少の違いがあったとは言え、前半に何回かあったCKとほぼ同じパターンでしたので、少しレアル・マドリードの守備が軽かったかなという感じでした。この試合は、少しレアル・マドリードのセットプレーの時の守り方が悪かったですね。