元マンチェスター・ユナイテッドのエリック・カントナ氏が、将来のフランス大統領になるかもしれない。現役引退後、演劇や写真の世界にいたカントナ氏だが、今度は政界へ進出するようだ。自分のやり方で変えていくために、彼はエリーゼ宮の中に入ることを望んでいる。

カントナ氏はすでに最初のステップに着手した。『リベラシオン』紙のサイト上で、必要とされる議員500名の署名を求めている。フランスでは4月に大統領選が行われるが、立候補するために必要なステップだ。大統領選は現職のニコラ・サルコジ氏のほか、社会党のフランソワ・オランド氏、極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン氏らで争われる。

カントナ氏は署名を求める手紙の中で、「シンプルだが明確で、真実かつ敬意あるメッセージを送りたい。連帯ある、力強いメッセージだ。我が国と、何百万の家庭が求めるメッセージだ。彼らの日々の苦しみは忘れられてしまっている。だからこそ、国民の力が遠ざかっているのだ」と訴えた。

カントナ氏が闘いの場に向かうのは、これが初めてではない。昨年、同氏はテレビのインタビューで、銀行の権力に対抗する戦略というものを説明していた。それは、「口座からすべての金を下ろすだけで良い」というものだ。

このメッセージはインターネットを通じ、すぐに多数の賛同を得た。結局、徹底した口座閉鎖にはつながらなかったが、いずれにしてもカントナ氏の訴えは、政治家らの間にパニックを引き起こした。カントナ氏の人気ぶりを表しているだろう。そしてそのカントナ氏が、高みを目指している。