2009年に動画共有サイト「ユーチューブ」にアップされた韓国の人気ガールズグループ、少女時代の「Gee」のプロモーションビデオは、再生回数が現時点で韓国の人口を上回る5800万回を超えた。インターネットを通してK−POPが世界に広まり、外国人が韓国文化に夢中になる「韓流現象」は、再び飛躍のきっかけをつかんでいる。中国メディアの環球網が28日に報じた。

 ソウル大学経営学科のキム・サンフン教授は22日に開かれた「第1回韓流未来戦略研究フォーラム」で、「現在の韓流はドラマ中心だったかつての韓流とは違う。これからは『韓流3.0』に備えるべき時期」と述べた。キム教授は、ドラマや映画など動画コンテンツを中心に韓流が形成された1996年から2005年までの時期を「韓流1.0」、06年から現在までのK−POPアイドルが主流となった時期を「韓流2.0」と命名。今回のフォーラムでは、経営者やコンテンツ製作者は、韓流がさらに飛躍する時期を「韓流3.0」と定義付け、成功につながるさまざまな必須条件を話し合った。

 キム教授は、「韓流3.0時代を目指すには持続可能な成長に基づくマーケティング戦略が必要」と指摘。「現在のK−POPブームはインターネットを多く利用する世界各国のマニア層が支持勢力だが、韓流が世界の主流になるには海外メディアと提携し、外国のおもな芸能メディアを引きつけ、それによって一般の人びとにまで支持勢力を広げるマーケティング戦略を展開しなければならない」と指摘した。

 さらにフォーラムでは、少女時代などが所属する韓国SMエンターテイメント社のイ・スマン会長が「外国のファンを仮想国民とする韓流仮想国家を作り出すことが最終目標」と表明。「韓流」の発展は「海外のファンを韓国の支持勢力にするための触媒」と強調し、「K−POPファンが韓国商品を買い、韓国語を学び、韓国を訪れ、最終的に韓国の支持勢力となることを期待している」と述べた。

 専門家たちは拡大に伴う「反韓流」の逆風にも警戒しなければならないと指摘。キム教授は、「韓国文化を重視し過ぎるならば、韓流は一時的な流行で終わる可能性がある。文化の壁を越えるグローバルなコンテンツを開発することが重要」と述べた。(編集担当:及川源十郎)