イグリ・ターレ

サラテはクラブを追い出されたのか、それとも自ら去っていったのか。ラツィオのスポーツ・ディレクターを務めるイグリ・ターレは記者会見で「サラテは望んでチームを離れた」とコメントしている。しかしサラテはそうは言っていない。嘘をついているのはどちらだ。

―イグリ・ターレ、嘘をついているのはどちらでしょう?あなたやレヤは「サラテがラツィオを離れたがっていた」と言っていますが、サラテ本人は真逆のコメントをしています。ティフォージには真実を知る権利があるばずです。
たしかサラテ本人も「僕はインテルでプレーしたかった」とコメントしていたと思います。それが真実です。彼は目的を達成したということですね。

―サラテは「レヤはキャンプの初日から自分をチームから外すつもりだった」とも言っていました。
私はチームの方針以外についてコメントするつもりはありません。レデスマやラドゥのように残留を選んだ選手もいれば、チームを出ていくと決めた選手もいます。

―ラツィオは今オフにシセとクローゼを獲得しました。すでにサラテは構想外だったのでしょうか?
シセとクローゼ、両者ともクラブが掲げた目標を達成するために私たちが望んで獲得した選手です。その段階ではサラテを売却するつもりなどありませんでしたが、その後いくつか問題が出てきました。

―サラテが問題だということですね?
それは違います。ひとりの選手がクラブ全体の問題になることはありえません。サラテはそのひとつに過ぎないのです。彼の放出はしかるべき結果であり、彼自身がそれを望んでいました。

―「サラテは移籍を希望している」というレヤの言葉が、両者の関係悪化の原因ではないのでしょうか?
ひとつハッキリさせておきますが、サラテとクラブの関係が悪化したわけではありません。ラツィオの中には派閥があって、そのグループがサラテをチームから追い出したという噂もデタラメです。私たちは選手の一存でチーム編成をすることはありません。

ただ、キャンプ初日に6〜7kgもベスト体重からオーバーしている状態でチームに合流するのは、とても誉められた行為ではありません。チームとして守るべきルールは選手全員が従うべきです。

―サラテのような選手を売却するということは、ある種の「敗戦」だと思います。なぜメルカート最終日に放出したのでしょう?
敗戦だとは思っていません。たしかにサラテの振る舞いを無視することはできませんが、それでも彼はカンピオーネです。まだこれから伸びる余地も残しています。彼を最終日に売却したのは、それまで私たちに彼を放出する気がなかったからです。

―アイドルを失って悲しんでいる子どもたちにどう説明するつもりですか?
もちろん、それは理解しているつもりです。私たちの仕事は時折、ティフォージを悲しませるような決断をしなければならないこともあります。人生には物事を良い方向に導くために、こういった決定からは逃れられません。結果的にこの決断がファンを喜ばせるような未来に繋がってほしいと思います。

―パンデフ、コラロフ、リヒトシュタイナー、ムスレラ、そしてサラテ。どうしてラツィオは優秀な若手を次々と放出しているのでしょう?彼ら全員が移籍を志願したとは考えにくいのですが。
これは彼らが望んだ結果です。モチベーションが低下した状態でチームに縛り付けておくのはクラブにとって逆効果だと、私たちはパンデフの時に痛感しています。彼らが裏切り者だとは思いません。それぞれが選んだ道なのです。

―レンタル料270万ユーロ、買取金額1550万ユーロ。ラツィオにとってサラテの移籍交渉は失敗だったと思いませんか?
ヨーロッパのカルチョの世界では、言い値で交渉が成立することなどありえません。今のサラテはトップフォームからは程遠い状態です。

―サラテを放出しましたが、代わりの選手を補強しませんでした。これはなぜでしょう?
私たちはすでにハイレベルなチームを作り上げています。どのポジションにもふたりの選手を揃えています。少なくとも20人はレギュラーとして活躍できる実力を持っているでしょう。新しく加入した選手はこれまでチームに足りなかった能力を持っています。今シーズンの目標は昨シーズンの成績を上回ることです。

―ラツィオは左のサイドバックを探していました。ルリッチが加わりましたが、レヤの構想では彼はサイドバックではなく前線の選手です。ディフェンスラインは弱体化していると思います。
ルリッチはサイドバック、中盤、ウイングでもプレーできる選手です。コンコは国際レベルの経験を持っています。ガリードには正直それほど大きな期待はしていませんでしたが、シーズン開幕前の試合でもっともいい動きをしていた選手のひとりです。ザウリは状況に応じて柔軟な対応ができる選手ですし、スタンケビチウスは2つポジションをこなせます。問題があるとは思いません。