■主審:岡田正義
 採点:4


 岡田主審の引退を望む声もあれば、そのパフォーマンスがJでは未だにトップだという声もコメントで頂く。どちらも間違っていない。審判に波はつきもので、岡田主審に波があるのも確か。それは私自身が付けた採点からもわかる。とは言え、この熱い試合を割り当てられるくらいに審判委員会からの信頼は厚いし、実際にJ2担当審判員よりも技術が高い。この試合で、それを証明した。

 1分、クロスに対し、相手を押して競ったということでエジミウソンのファウル。5分、田中達へのトリップをとる。8分には阿部の足を裏から蹴る格好になったケネディに注意を与える。21分、金崎のホールディングが影響したということでしっかりととる。

ベテランである岡田主審の基準を選手たちも理解しているのか、ここから試合はファウルのないスピーディーでエキサイティングなものになる。世界にだしても恥ずかしくないフットボールだ。

 43分、笛が鳴った後にポンテがシュートを打つが、懲戒罰ほどのタイミングではない。互いに笑顔でコミュニケーションをとる良いシーンだった。

 50分、玉田のドリブルを後ろから手を肩にかけて無謀に止めた阿部勇に警告。56分、玉田に振り切られた所を、ユニホームを引っ張って止めた平川に警告。

 65分、珍しいシーンが起こる。

 ダニルソンが田中をひっかけファウル。そして、ダニルソンが悪かったよという風に田中を起こすと、この時の力で田中が肩を痛めてしまう。ダニルソンに悪意はなく、難しいシーンとなった。

 85分の山田のブロックはボールに対する意図があるためカードはなし。直後の阿部勇のシュートがファウルを受けた闘莉王に当たったシーンも意図はないとして、カードはなし。阿部自身もすぐに闘莉王に謝罪するなど、岡田主審の笛を受け入れていた。90分の名古屋のスライディングタックルはボールにいっているためノーファウル。良い判定だ。

 元・浦和の主力が二人もいる名古屋に3−1と屈辱の敗戦を喫した浦和。サポーターは爆発寸前で、メディアも日本のメディアらしく、それを煽りに煽っているが、言われているほど内容は悪くない。だから、再来週が楽しみだ。ギリギリの状態に追い込まれている浦和が、鹿島とホームでどのような試合を見せるか。記者席から思う存分楽しみたい。

〜採点基準〜
5:彼なしに試合はありえなかった
4:普通に試合を終わらせた
3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった
2:試合に影響はなかったかもしれないが、カード・得点に対する微妙なシーンがあった
1:ミスから試合の流れを変えてしまった
0:試合を壊してしまった