バルサに勝ち点差で並ぶも勝利数で上回り、首位奪回に成功したR・マドリー。ホームにCL圏内のセビージャを迎え、相変わらず安定した戦いはできていないものの、0−2のリードをひっくり返し勝利をなんとかもぎ取った。

 試合は前半からセビージャが左サイドのカペル、右サイドのヘスス・ナバスを中心にお得意のサイド攻撃を仕掛ける。先制点は、その左サイドアタッカーのカペルがセンタリングしたボールをディフェンスに入ったシャビ・アロンソがオウンゴール。9分でセビージャがリードを奪った。

 全くパスが繋がらないR・マドリー。いつものようにC・ロナウド、イグアイン、カカーといった個人技に頼る悪い癖が出てしまい、ブロックを作って守るセビージャを崩しきれない。後半開始7分でセビージャは、ドラグティノビッチがFKを入れ追加点。シャビ・アロンソとGKカシージャスの軽率なミスからR・マドリーはセビージャに得点差を広げられてしまう。

 このままでは終われないR・マドリー。ペジェグリーニ監督は、ラサナ・ディアラとアルベロアを交代し、グティとファン・デル・ファールトを投入。これが試合を決める鍵となった。中盤でリズムよくボールが回るようになったR・マドリーは、C・ロナウド、セルヒオ・ラモスが立て続けにゴール。ロスタイムにはファン・デル・ファールトが逆転ゴールを叩き込みR・マドリーが執念で勝利を収めた。

 交代でリズムが変わることが多いR・マドリー。層の厚さ、効果的な仕事ができる選手の数だとバルサを上回っていると言える。グティとファン・デル・ファールトは、キラーパスを得意とし、この試合でも途中出場ながらイグアイン、C・ロナウドの動き出しに合わせてパスを的確に供給し逆転勝利に貢献した。いよいよバルサを追い抜いたR・マドリー。勢いでバルサを引き離すことができれば念願のリーガ制覇も不可能ではなさそうだ。

(スペイン通信)