言語
形あるものはいつかは無くなるものですが、ときには無形のものが失われることもあります。

最後に話す人が亡くなったとして、ある言語が絶滅したというニュースがありました。

言語が絶滅
絶滅したと言うその言語は、インド東部のベンガル湾に浮かぶアンダマン諸島のボー族が話していたボー語です。

アンダマン諸島に住んでいた最後の1人、ボー語が堪能な Boa Srさんは、イギリス人が植民地にするため運んできた病原菌や、日本による占領や、さらに2004年に襲った津波も乗り越えてきた民族の最後の生き残りでしたが、彼女が亡くなったことで言語が絶滅しました。

ボー語は、すでに絶滅した民族の名前からとったもので、アンダマン諸島で使われた10言語のうちの1つでしたが、その歴史は石器時代にまでさかのぼると言われていました。そのため6万5千年前の文化とのリンクがこれで途絶えたことになるようです。

言語そのものは学者たちがその歴史を研究してきましたが、近いとされる民族でも、Boaさんの歌や話のレパートリーの数々を完全に理解することはできなかったと言います。

彼女の死はアンダマン諸島にとって大きな損失であるとして、コミュニティでは死を悼んでいるようです。

アンダマン諸島の先住民の人口は過去150年の間に急激に減り、虐殺や病気、そして土地を奪われるなどして、5000人が今や52人まで減少しています。

このような民族がいたことも、言語が存在したことも、ほとんど日本では知られていませんが、1つの民族と言語が消えた事実を目の当たりにすると、文化を守ることの大切さを改めて考える機会になるのではないでしょうか。

Nothing To Do With Arbroath: Ancient tribal language becomes extinct as last speaker dies

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