18日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の組み合わせ抽選会が行われ、レアル・マドリーとの対戦が決まったリヨン。グループリーグ首位での決勝T進出を逃し、難しい相手との対戦が避けられないことは抽選前からわかっていた。

 レキップ紙にコメントを寄せたピュエル監督、主将クリス、MFピヤニッチの反応も、直後は「厳しい抽選になることはわかっていたが、その通りの結果になった」とやや重めの口調。しかし少し時間をおくと、“最悪”は避けられた、との思いが伝わってくる。

 「2月まで間があるのはたしかだが、現時点ではレアルが最強のチームというわけじゃない(ピヤニッチ)」、「いちばん避けたかったのは、バルセロナとチェルシー。レアルのプレースタイルは我々に合っている。よい抽選結果だ(クリス)」とポジティブに受けとめている。

 「どんな試合だって勝算はある。あとは自分たちにかかっている」というクリス。“勝算”は、過去の対戦からも感じとっている。というのもリヨンは2005-06シーズン、2006-07シーズンにCLでレアルと当たり、対戦成績は2勝2引き分けと優位。「もちろん、グループリーグでのことで、決勝Tとなれば違ってくる」とはいえ、まったく歯が立たない相手ではないという感触がある。

 今季からレギュラーに定着し初の大舞台を迎える19歳のピヤニッチに至っては、「ベンゼマ、カカ、クリスティアーノ・ロナウドやシャビ・アロンソが相手となれば、興奮しないわけがない。レアルと対戦することは、誰にとっても夢だ」と早くも対戦を心待ちにしている様子すらうかがえる。

 一方でピュエル監督は「レアルは進歩の過程にあり、チームとしてまとまりつつある」とやや慎重。「我々は一か八かという気持ちでやるだけ。2月には、自分たちのほんとうのレベルに達して、勝てる要素をもっているはずだ」と勝機をうかがう。昨季は1回戦でバルセロナを前に敗退したが、そのときの経験や教訓もある。現在はリーグで首位ボルドーに8ポイント差をつけられ苦しい時期にあるピュエル監督だが、「ベルナベウ(レアルの本拠地で今季CL決勝の舞台)で2度戦えたらいいね」とめずらしく軽口も飛び出しており、自信を失っているわけではなさそうだ。