「犬vs.猫」優れているのはどっち? 英科学誌の“挑戦”に多数の意見。

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最も代表的なペットとして、その人気を二分している犬と猫。そのビジュアルに加え、「従順な犬」「気ままな猫」といった性格、「散歩が必要な犬」「手間がかからない猫」といった飼い方などに大きな違いがあることもあり、飼い主の好みによってわかれる“犬派”“猫派”の間で論争が起きることも珍しくない。英科学誌ニュー・サイエンティストは、こうした犬と猫の好みが真っ二つに分かれていることを踏まえた上で、「犬と猫、優れたペット対決」なる勝負を実施。その結果をめぐり、多くの“犬派”“猫派”から意見が寄せられている。

「世界中の人は犬派と猫派に分けられ、それぞれが自分の好きなほうが優れていると思っている」との書き出しから始まる同誌の対決企画。犬と猫、それぞれを対象とした多くの研究が過去に行われながらも、直接比較した機会がなかったとして「この永続的な論争を、科学を使って結論を出してみよう」と、今回の対決の狙いを説明している。

同誌はこれまでに知られている客観的なデータを利用して、11の項目で双方を比較。「どちらが人間にとって良いペットなのか」に主眼を置き、優劣を付けるという内容だ。その結果に異論が出ることは充分承知の上で、「我々は挑戦が好きだ」と、11の比較を行っている。

例えば脳に関する比較。平均的な脳の大きさは犬が64グラム、猫が25グラムで犬のほうが大きいものの、体重に占める割合にすると猫のほうが大きい。しかし、ここで同誌が着目したのは、情報処理能力に繋がるという神経細胞ニューロンの数だ。犬の1億6,000万に対し、猫は3億で、この細胞数の違いから「脳は犬より猫が優れている」と判定している。

また、“犬派”“猫派”にとって興味深いのは、世界中で飼われている犬と猫の数かもしれない。ここでは数の多い上位10か国の合計を示し、犬は1億7,300頭(匹)、猫は2億400万匹との結果。世界では犬より猫を飼っている人が多いようだ。

ほかに「ペットの歴史」の項目では、これまでの研究ではまだ曖昧としながらも、犬は遅くとも1万6,000年前には飼われていたと見られるのに対し、猫は9,500年前(※一緒に埋葬された人間と猫が発見されている)で、ここは犬の勝ち。「感覚器官」の項目では、嗅覚細胞の数、視覚の反応性、可聴域の範囲の広さでいずれも猫のほうが勝っていると指摘している。

変わったところでは、「地球への優しさ」という項目も。1年間歩くと、どれだけの広さに相当する地面を踏みしめているのかを計算し、その数字が小さいほど、ほかの生態への影響が少ないといった見方のようだ。結果、犬は年平均0.84ヘクタール、猫は平均0.15ヘクタールで、この項目は猫が勝利を飾っている。

さらに問題解決能力、泣き声、追従性などを比較し、11の項目で優劣をつけた結果、同誌が出した結論は6対5で犬の勝ち。企画の最後には「結果が不満ですか?」とつづり、読者に議論して欲しいと投げかけた。

これを受け、同誌のコメント欄には300を超える意見がズラリ。“犬派”と“猫派”それぞれがいろいろな良さを主張しているが、こうした熱い議論が繰り広げられるのも、それだけ犬と猫が愛すべき存在であり、実際に愛されていることの証拠と言えそうだ。