明治安田アセットマネジメントは先ごろ、女性を対象とした投資セミナーで講演し、投資経験のない女性が、これから投資を始めるにあたって心掛けたいポイントを解説した。同社の遠藤真依子氏は、「投資は意外とシンプルです。『長期』『分散』『積立』で複利の効果を生かしてコツコツと資産を増やしましょう。NISA(少額投資非課税制度)やつみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)を使って、お得に運用しましょう」と呼びかけた。講演の要旨は以下の通り。
 
◆投資を始める時の3つのチェックポイント
 
 もし、50万円をもらって自由に使っていいと言われたらどうしますか? 海外旅行をしますか? ブランドバッグを買いますか? それとも、とりあえず貯金をしておきますか?
 
 投資をしようと考えた場合、3つのポイントを確認しましょう。まず、投資する金額を明確にしましょう。100万円ですか? それとも、毎月1万円でしょうか? その資金が余裕資金であることがポイントです。
 
 次に、投資の目的を明確にしましょう。教育資金、住宅の頭金、それとも、老後の備えでしょうか? 目的を明確にすることは大事なポイントです。
 
 そして、3点目に投資の期間を考えましょう。この点は、2番目の目的にもかかわってきます。教育資金のために運用するのであれば、子どもが大学に入学する年までに結果が必要になります。「投資の金額」「投資の目的」「投資の期間」という3つをしっかり考えてから投資を始めましょう。
 
◆意外とシンプルな株式投資、業績好調で成長する企業を選ぶ
 
 さて、現在、預金をした場合は、どのくらい資金が増えるのでしょう? 金利が0.1%の場合、50万円を預けて1年間で利息が500円、10年間で5,000円です。ところが、株式で運用すると、1年間で20%も、30%も値上がりすることがあります。反対に値下がりすることもあります。
 
 そもそも「株式」とは何でしょう? 一言でいうと、「会社の権利を買う」ということです。配当をもらえる権利もあります。また、売買できる権利です。
 
 株式投資は、シンプルです。たとえば、ここに株価の動きを示したグラフがあります。Aは株価が値上がりし、Bは横ばいと株価の動きが違います。同じ業種の企業です。ここで問題ですが、一つの企業は「商品開発力があり、海外への進出にも積極的で、海外でもシェアを伸ばしました」。また、もうひとつの企業は、「良い製品を持っているのですが、海外への展開に出遅れてしまいました。この両社の株価は、どちらでしょう?
 
 良い会社の、成長をしている会社の株価は右肩上がりです。業績が良いのもかかわらず、株価が下げるようなこともありますが、基本的には業績が伸びている企業の株価は値上がりしていますので、業績が良くなっている企業を選ぶようにしましょう。
 
◆プロが調理したお弁当のような「投資信託」の活用も
 
 日本には多くの企業があります。上場している企業数は数千企業です。それらを1社1社調べて選ぶのは大変です。そのような場合には、「投資信託」の活用をご検討ください。投資信託はお弁当のようなものだと思います。株を買うとういうことは、材料を買って、自分で料理をするようなものです。それに比べて投資信託は、お弁当のように、既に調理された料理の詰め合わせです。ファンドマネージャーが、私たちに代わって、良い材料を選んで、美味しく調理してくれています。
 
◆人生100年時代に備える「長期」「分散」「積立」
 
 投資すると、値段が動くことに不安を感じる方も多いと思います。その場合は、長期で投資することのメリットを考えてください。短期間にすごく上がったり下がったりすると怖くもなりますが、長期では、それが均されてきます。そして、それに加えて「複利効果」も、長期でのメリットが大きくなります。