「ハローキティ」とコラボした、ピンクと白の“かわいい新幹線”が山陽新幹線に登場。リボンが大きくデザインされた外観、ハローキティと一緒に旅をしている気分の車内など、その世界観が各所に表現されています。

夢で「大きなリボンの精」からお願いされて

 JR西日本が2018年6月25日(月)、新たに登場する「ハローキティ新幹線」を報道陣へ公開しました。サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」とコラボレーションし、「西日本の地域活性化」を目指すべく走り出す新幹線で、6月30日(土)から山陽新幹線(新大阪〜博多)で運行開始の予定です。

 元になった車両は、15mものとがった“鼻先”が特徴の500系。その500系新幹線のうち、2015年11月から2018年5月まで、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボで「500 TYPE EVA」として運行されていた車両が、このたび「ハローキティ新幹線」に生まれ変わりました。


白とピンクに身を包んだ「ハローキティ新幹線」(2018年6月25日、恵 知仁撮影)。

 外観デザインは、「地域を『つなぐ』『結ぶ』」という思いを込めたという「リボン」がモチーフになっており、先頭車両の1号車と8号車では、JR西日本の制服を着たハローキティがお出迎え。また各号車に、地域限定デザインのハローキティが描かれています。

「新幹線にご縁がない方にも、国内外で知名度の高い『ハローキティ』をきっかけに、新幹線、鉄道の旅、そして西日本を楽しんでいただければと思います」(JR西日本 営業本部 担当部長 財 剛啓さん)

 ちなみに、この新幹線にはストーリーが存在。ハローキティが夢で大きなリボンの精から「たくさんのひとたちをつなぐ、お手伝いをしてほしいの」といわれ、目覚めると駅のホームに立っており、そこにピンク色の新幹線が登場、ハローキティが持っていたリボンで仕上げて「ハローキティ新幹線」が完成し、さあ、リボンでたくさんの人をつないで笑顔を増やしていこう、というものです。

 また中国JRバスでも、「ハローキティ新幹線」に合わせたラッピングバスが登場する予定です。

1号車は「HELLO!PLAZA」 ショップや映像コーナーも

 博多側の先頭車である1号車は、車内の様子が本来の500系から大きく変化。元の座席が全て取り外された地域展示スペース「HELLO!PLAZA」です。

 ピンクと白、リボン、ハローキティでかわいらしくデザインされたこの「HELLO!PLAZA」には、西日本の各地域を期間限定で紹介するコーナー、限定グッズや地域の特産品を扱うショップスペース、車窓を眺めながら一休みできるスペース(コンセントあり)、地域の魅力にふれられるという映像コーナーを用意。乗客は自由に見学できます。


「ハローキティ新幹線」1号車「HELLO!PLAZA」の車内(2018年6月25日、恵 知仁撮影)。

 この「HELLO!PLAZA」ではまず、2018年7月から9月まで開催される観光キャンペーン「山陰デスティネーションキャンペーン(山陰DC)」に合わせて、「鳥取県」「島根県」を紹介。両県オリジナルデザインのハローキティが乗客を出迎えるほか、一部日程では「山陰DCアンバサダー」が乗車し、「山陰のいいもの」などを教えてくれるそうです。

 また10月ごろからは「山口県」がテーマになる予定で、その後順次、沿線などの各地域を紹介する計画とのこと。なおJR西日本は、鉄道事業に「地域」は欠かせないことから、その中期経営計画において「地域共生企業になること」を掲げています。

2号車は「KAWAII!ROOM」 ハローキティと一緒に旅をしている気分

 2号車は、ほぼ元の座席が並ぶ自由席車両ですが、床がピンクと白の水玉模様になっているなど、その名の通りかわいらしい「ハローキティ」仕様の客室。ヘッドレストカバー、肘掛けなどにはハローキティやリボンが描かれ、「ハローキティといっしょに旅をしている気分」が味わえるといいます。


「ハローキティ新幹線」2号車「KAWAII!ROOM」の車内(2018年6月25日、恵 知仁撮影)。

 そして座席の一部が取り外され、“旅の案内人”ハローキティと記念撮影できるフォトスポットになっているほか、車両のどこかにハローキティが隠れており、「ぜひ探してみてほしい」とのこと。

 2号車には大きな荷物が置けるスペースもあり、外国人旅行者を意識したところだといいます。

「ハローキティ新幹線」は8両編成。この1号車と2号車以外は大きな改装はありません。車内放送のチャイムは、全車両で「ハローキティ新幹線」限定のオリジナルメロディが流れます。

 この「ハローキティ新幹線」は、博多発6時40分の新大阪行き「こだま730号」(新大阪11時13分着)と、新大阪発11時29分の博多行き「こだま741号」(博多15時38分着)での運転。臨時運転されるのではなく、毎日運転の定期列車である「こだま730・741号」が、「ハローキティ新幹線」車両での運行になる形です(月に数日程度、通常車両で運行する日もあり。10月以降の運転日は未定)。きっぷは、通常の新幹線と同様の方法で購入できます。

 また「ハローキティ新幹線」運行に合わせて、博多駅へ「ハローキティ新幹線カフェ」がオープンしているほか、スタンプラリーも実施されます。