下町ボブスレーの「新10号機」。ステッカーなどがジャマイカ・チーム仕様となっている(写真提供:下町ボブスレーネットワークプロジェクト)

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平昌五輪ジャマイカ代表ボブスレーチームが競技後にツイッターへ投稿した集合写真に、日本人男性が写っていた。

日本の「下町ボブスレー」のソリ使用をめぐって騒動が起き、最終的にラトビア製ソリに乗り換えたジャマイカ。「仲違い」したようなイメージもある両者だが、ジャマイカ・チームの3人ともども全員満面の笑顔だ。

「とても素晴らしい旅でした」

ジャマイカ・ボブスレー・チーム公式ツイッターは2018年2月22日、「ファン・サポーターの皆様、ありがとうございました! とても素晴らしい旅でした」と投稿。ボブスレー女子2人乗りは2018年2月21日に行われ、ジャマイカは出場20チーム中19位で終えている。

投稿では、競技後に撮ったとみられる集合写真もアップ。そこにはジャマイカ・チームの3人に加え、日本人男性3人が写っていた。ジャケットの胸元には「下町ボブスレー」のロゴがあり、プロジェクト推進委員会の細貝淳一・ゼネラルマネジャー、国広愛彦・委員長らとみられる。

ジャマイカ女子ボブスレーは当初、東京都大田区の町工場が中心となって開発した「下町ボブスレー」のソリを使用する予定で契約していたが、大会直前に拒否。安全性や性能で優れるとしてラトビア製の別のソリで出場するとした。

契約を破棄された下町ボブスレー側は公式サイトで7日、ジャマイカ・チーム側への損害賠償請求を辞さないことや、プロジェクトチームのスタッフが平昌で待機して五輪での使用を呼びかけていることなどを発表。指摘されていた安全面は、ソリのレギュレーションチェックを3回実施し、指導を受けた回は軽微な修正のみで対応済みであり、合格した回もあるとして「万全」と主張していた。性能面もラトビア製より速いとしている。

その後ジャマイカ・チームではコーチの辞任など一悶着あったものの、呼びかけも空しく、五輪でジャマイカ・チームは下町ボブスレーを使用しなかった。プロジェクトはスポンサーに大企業がついていることや、国から補助金が出ていることもあり、ネット上ではバッシングの嵐が吹いた。

ジャマイカに「あいさつ」

傍から見れば五輪直前に袖にされた格好の下町ボブスレーだが、ジャマイカ・チームと笑顔の集合写真――。どういうことなのか。下町ボブスレーネットワークプロジェクトの担当者は22日、J-CASTニュースの取材に「写真に写っているのは、下町ボブスレーの歴代委員長と、ジャマイカ連盟の会長など幹部です」としてこう明かす。

「委員会は平昌五輪で、これまでの6年間で付き合いのある各国チームを応援し、世界のソリを研究するため現地へ飛びました。あいさつしたチームの一つがジャマイカ・チームです」

関係は良さそうだが、再びジャマイカ・チームにソリを提供していくのか。担当者は「特に交渉などはしていません。五輪の世界友好の精神の表れです。今後の対応についても、検討を続けています」とだけ話していた。