ハリルジャパンの現状を海外メディアが分析 「ヤングスター輩出に問題を抱えている」

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本田や長谷部、岡崎ら主力が30歳を超え…徐々に影響力が衰え始めているとの見解

 ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選は全10試合を終え、出場4.5枠のうち日本、サウジアラビア、イラン、韓国が本大会への切符を手にした。

 アジアの戦いは残すところ、グループA3位シリアとグループB3位オーストラリアによるプレーオフのみとなったが、スポーツ専門テレビ局「FOXスポーツ」アジア版はW杯出場を決めた4カ国に関する記述で、日本の「主力高齢化」と「若手の台頭不足」を指摘している。

 日本は8月31日に行われた本拠地オーストラリア戦で2-0と勝利を飾り、6大会連続6回目のW杯出場が決定。9月5日の敵地サウジアラビア戦には0-1で敗れるも、通算6勝2分2敗とグループB首位で最終予選を終えた。

 オーストラリア戦ではFW本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター・シティ)、MF香川真司(ドルトムント)の“ビッグ3”がスタメンから外れ、浅野拓磨(シュツットガルト)と井手口陽介(ガンバ大阪)のゴールで勝利したことが海外でも話題となった。UAE紙「ガルフトゥデー」は「“ニュージェネレーション”に敬意が払われている」とリオ五輪世代の活躍を新世代の台頭として報じていたが、「FOXスポーツ」アジア版は少々異なる見解を示している。

「長きにわたり中核を担ってきたケイスケ・ホンダ、シンジ・オカザキ、マコト・ハセベ、エイジ・カワシマは30歳を超えた。依然として質の高い選手だが、その影響力は衰え始めている。日本は才能あふれるヤングスターの輩出に問題を抱えている。ヨウイチロウ・カキタニ、リョウ・ミヤイチはそのポテンシャルを最大限に発揮できなかった典型的な例だ」

「日本は不透明な時期に入りつつある」

 記事では本田や岡崎、キャプテンのMF長谷部誠(フランクフルト)、守護神のGK川島永嗣(メス)が30歳を超え、その影響力が徐々に衰え始めていると分析。そして若手が思うように台頭していない例として、FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)とFW宮市亮(ザンクトパウリ)の名前を挙げた。前者は2013年の東アジアカップで鮮烈なA代表デビューを果たすも、14年ブラジルW杯以降は目立った活躍を見せられず、日本人プレミアリーグ最年少デビューを飾った後者も故障続きで1年間通して戦えないシーズンが続いている。

 そして同局は、18年6月に開幕する本大会に向けても以下のように展望している。

「日本は1998年にW杯デビューして以降、20年間にわたってアジアを牽引するチームとして君臨してきた。しかし、不透明な時期に入りつつある。これ(ロシア)がホンダにとって最後のW杯となる可能性が高いが、将来を見据えればタクマ・アサノやヨウスケ・イデグチら若手に貴重な経験を積ませることが重要かもしれない」

 同局は本田の起用にこだわらず、浅野や井手口といった次世代に経験を積ませることも選択肢としてあると記した。果たしてバヒド・ハリルホジッチ監督は、どのようなメンバーで本大会に挑むのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images