中国語の「活到老、学到老」という慣用句には生きている限り学び続けるという意味があり、成長し続けたいとする欲求を簡潔に表現した言葉だといえる。学習と成長は切っても切り離せない関係にあるが、中国人が日本人から学ぼうとする場合、歴史問題を背景とした感情が学ぶ意欲を削いでしまうということもあるだろう。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国語の「活到老、学到老」という慣用句には生きている限り学び続けるという意味があり、成長し続けたいとする欲求を簡潔に表現した言葉だといえる。学習と成長は切っても切り離せない関係にあるが、中国人が日本人から学ぼうとする場合、歴史問題を背景とした感情が学ぶ意欲を削いでしまうということもあるだろう。

 だが、中国メディアの今日頭条は14日付で、歴史問題があったとしても日本には中国人が学ぶに値する点があるとして、そのいくつかについて紹介する記事を掲載した。

 記事は、「日本には中国人が学ぶに値する点」として、主に社会における「配慮」を挙げている。日本のガソリンスタンドの給油ノズルは吊り下げ式のため車の停車位置に自由度があること、機械式立体駐車場により多くの駐車スペースを確保していること、背もたれにバッグをぶら下げることができる椅子、目の不自由な方たちが誤飲を避けるため缶上部に点字で「おさけ」と表記するといった配慮を紹介。日本社会に生きる日本人は互いに配慮し合うことで、お互いに快適に生活できているのだと論じた。

 また、日本の地下鉄の車両内には高さの異なる吊革があると伝え、これは「非常に人性化されている」と称賛。「人性化」という中国語は、「思いやりがある」、「配慮がある」という意味だが、つまり吊革という何気ない存在ですら「非常に思いやりがある」と指摘した。さらに、日本のトイレは手を洗った水がタンクに貯まるため節水が実現されていることも社会に対する配慮であると紹介した。

 記事が紹介した椅子、缶ビール、つり革のデザインには「人生化」という共通点があり、この「思いやりのあるデザイン」は中国ネットユーザーたちも好んで取り上げる話題の1つだ。例えば、中国の大手Q&Aサイトである知乎(ジーフー)に寄せられているコメントを見てみると、ある中国ネットユーザーは日本の牛乳パックの最上部に小さなくぼみが設けられており、目の不自由な方たちが空け口を判別できるデザインとなっている点を称賛していたほか、「日本人の細やかな配慮には感服させられる」、「なんでそんな細かいことに気がつくのだろうか」と疑問を投げかけるネットユーザーもいた。

 歴史問題にとらわれずに日本社会に見られる思いやりあるデザインに注目する中国の若い世代が増えるにつれ、今後の中国社会にも「人生化」されたデザインが増えていくかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)