オーガニック飼育が売りだった乳牛32頭、雷に打たれて死亡(出典:http://www.news-leader.com)

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落雷は人の命を奪い、重度の後遺症を残し、停電や火事を引き起こすことで恐れられている。いよいよ日本ばかりか海外でも落雷被害が数多く伝えられる季節となったようだ。米ミズーリ州でこのほど…。

『news-leader.com』などが伝えたところによれば、雷により大切な乳牛を32頭も殺されてしまったのは、オーガニック酪農認定を受けているミズーリ州テキサス郡の「ブラックウェルダー牧場(Blackwelder Farms)」。付近一帯が激しい雷雨に見舞われた先月29日午前4時ごろ、ある牛舎で搾乳したジェアド・ブラックウェルダーさんは作業を終えるとゲートに鍵をかけていたが、その時に強い閃光と激しい雷鳴が牧場を襲ったそうだ。彼はその状況をこう語っている。

「金属製のフェンスにも激しい光が走り、あまりの眩しさで何も見えませんでした。午後に搾乳のため別の牛舎に向かったところ、そこで32頭の乳牛が身を寄せ合うようにして地面に倒れて死んでいました。」

『Organic Valley』『Natural Market/Mama Jean's』『Ruby's Market』などを取引先として、ジェアドさんが妻のミスティさんとともにそこを経営するようになって約10年。以前にも雷の被害に遭い計3頭を失っていたが、このたびは一気に32頭と被害は尋常ではない。駆け付けた獣医も「1回の落雷につき私がこれまで見た被害は最大でも6頭でした」と話し、とても驚いていたという。

ライト郡の農政局がFacebookにその被害について紹介し、死亡した牛たちに哀悼の祈りを捧げたことからジェアドさんのもとには世界中から同情や励ましのコメントが寄せられている。乳牛は天災で死亡しただけに損害保険金が支給されるかどうかは不明だが、それでも大きな穴を掘って牛たちを土葬する前に保険会社の調査員に一応確認してもらうと話していた。雷に打たれると皮膚の電撃傷や脳の損傷はもちろんだが、体内では内臓が熱傷を負ってしまうため、この牛たちを食肉として販売することも難しいそうだ。

哺乳動物が相手ということは24時間365日休みなし。太陽が昇る前に起きて深夜まで作業は続くなど、個人による牧場経営の大変さは人々の想像をはるかに超えたものだという。特にオーガニック酪農は手間も費用もかかるのであろう。ジェアドさんの牛は通常の約2倍の価格で取引されるため1頭当たり2,000〜2,500ドルの価値があり、このたびの落雷被害による損失は6万ドル(約680万円)以上と見積もられるそうだ。ジェアドさんは「牧場にはまだ120頭の乳牛が残っている。それだけが幸い、頼みの綱です」と話している。

出典:http://www.news-leader.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)