学生の窓口編集部

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日本では、大学に入学するのは高校を卒業して(浪人をしなければ)すぐの18歳ごろというのが一般的な認識で、文部科学省の統計データでも明らかになっているのですが、実は世界の常識とは少々事情が異なっているとしたらどうでしょうか?

日本の常識と世界の常識を比べてみることで、高等教育への認識が変わるかもしれません。

世界主要国の大学進学率と大学入学の平均年齢、特徴について調査した結果です。大変興味深いものとなっています。


●オーストラリア

・大学進学率:96%

・大学入学年齢平均:26歳

世界3位の留学生受け入れ国。40の大学数しかないにもかかわらず、世界の大学ランキングで上位200校の中に入る大学が常に5-8校ランクインするという質の高さが特徴です。そして、大学への進学率は驚異の96%。

堂々の世界1位です。意外といえば、失礼でしょうか?

●ノルウェー

・大学進学率:76%

・大学入学年齢平均:30歳

高福祉国家のノルウェーでは、大学の学費は無料(なんと自国民だけでなく留学生まで)。北欧では、高校卒業後、「経済的に自立する」ことが若者たちの常識となっていて、社会経験を積んだ後にキャリアアップや知的探求心のために大学に入ることが多いようです。

そして、企業も大学卒業年齢を問わない等、このような流れを受け入れる社会が形成されていいます。

●アメリカ

・大学進学率:74%

・大学入学年齢平均:27歳

世界1位の留学生受け入れ国。4,000を超える大学があり、専攻の数も650以上。多様な価値観を受け入れる懐の深さと、世界最先端をいく科学力がその魅力です。入るのは簡単ですが、卒業するのは非常に難しい、日本の大学とは正反対の性格を持ちます。

●オランダ

・大学進学率:65%

・大学入学年齢平均:22歳

教育について、憲法で3つの自由が認められています。「設立の自由」「理念の自由」「教育方法の自由」です。200人の子供を集められれば、自分たちで学校をつくっても良いですし、宗教色を押し出しても、それ以外で特徴を出しても良いそうです。

恐るべき自由度ですね!


●日本

・大学進学率:51%

・大学入学年齢平均:18歳

入学が難しいが、卒業は簡単だといわれる日本の大学教育。その根源は、日本の大学制度がもともと優秀な官僚を輩出するための国策機関として位置付けられていたからでもあります。このため「選ばれた人間のみが入れる」という教育機関になりました。

●ドイツ

・大学進学率:42%

・大学入学年齢平均:24歳

世界4位の留学生受け入れ国、1386年に設立されたルプレヒト・カール大学ハイデルベルクはあまりにも有名です。このとき、日本では室町時代。南北朝で争っていた時期です……。もちろん大学に該当する高等教育機関はありません。

大学進学率が低いのは、伝統的に職人の気風がある国であり、大学以外の選択肢として、即戦力的な職業教育が充実しているからでもあります。

海外の大学入学年齢が平均的に高いのは、日本ほど厳しい受験制度がないためでもあり、高校卒業後に働いてお金をためてから入学する社会人経験者が多いということもあります。このあたりは、歴史的に見て、欧米の大学は民間主導で形成された歴史と伝統があり、門戸が開かれているという認識があるためです。

以上、データを見てみますと、世界において実は大学教育というのは、もっと年を取ってから受けることが普通のようですね! 日本は急速な近代化を進めざるを得なかった歴史が、世界と比べて大学の在り方を大きく変えていて、大学卒業の新卒採用重視という流れが定着したようです。

ペリーさえ来なければ、もう少し年齢的にゆとりを持って学んだり、就職できたりできたのかもしれません(笑)。

入学時に高いハードルがあり、卒業は諸外国と比べて容易な日本の大学。働き過ぎの日本人に必要なモラトリアムともいわれますが、肝心の「学ぶ」ということがなおざりにされてしまうという問題点も指摘されています。もし、受験でとてつもない苦労をして、「日本の大学はおかしい!」と憤りを感じたなら、社会人になって、システムを変える立場に立つという選択肢も、大いに「あり」なのかもしれません。

⇒データ出典:文部科学省「大学進学率の国際比較」

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji...

⇒データ出典:文部科学省「教育指標の国際比較」

http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/kokusai/_...

⇒データ出典:文部科学省「諸外国の教育統計」2014年版

http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/syogaikok...

⇒データ出典:経済産業省「我が国の大学・大学院の現状」

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/san_ga...

(タケ@dcp)