待望の「ATOK for iOS」にiOS 8の制限が!問題とメリットからみた買い時はいつか?

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今月半ばに発売した最新OS「iOS 8」を搭載する「iPhone 6」及び「iPhone 6 Plus」。「iOS 8」は、過去のモデルもアップデートすることで利用することができる。この「iOS 8」に追加された大きな目玉のひとつが、「他社製の外部キーボード追加」である。

XperiaなどのAndroidスマートフォンでは初期から他社製キーボードの追加が可能であったが、iPhoneやiPadでは文字入力機能を他社製のキーボードアプリに変更することができなかった(一部専用アプリを除く)。
それが「iOS 8」以降では好きな他社製キーボードを追加できるようになった。そして9月21日に注目されていたアプリがリリースされた。そう「ATOK(エイトック)」である。

●「ATOK」はどうしてそんなに人気があるのか
「ATOK」は、1980年代にパソコン向け漢字変換ソフトとして登場。その高い変換精度のため大変人気のあるツールだ。そのため、2014年の現在でもパソコンに「ATOK」を入れる使うユーザーも多い。筆者のまわりでも「仕事で使う文字変換ソフトはATOKだよね」という人が多いのだ。

現在ではパソコンのみならず、ニンテンドー3DSなどのゲーム機や、一部カーナビにも搭載されている。当然ながらスマートフォン向けにも提供しており、Androidスマートフォンユーザーには大変馴染み深いキーボードアプリ(IME)となっている。それらの人気を裏付けているのは、やはり高い変換精度であるほか、使う人の好みでカスタマイズできる柔軟さである。

実はiPhoneやiPad向けに「ATOK」が参入したのは、今より4年ほど前。2010年にはメモアプリやTwitterアプリとしてATOKが提供されている。しかしながら、単独のアプリ内での利用に制限のため、ブラウザなどiPhone全般で利用することはかなわなかった。そして今秋、ようやくiPhoneやiPadでも「ATOK」が利用できるようになったのだ。

●iOS 8の中では少し微妙な立ち位置の他社製キーボードたち
ようやく標準キーボード(文字入力IME)以外も使えるようになったわけだが、実はまだ問題も山積みだ。
現在のiOS 8における「ATOK」を含む他社製キーボードの立ち位置は少し微妙というほかない。その理由としては、iOSの仕様によるものだ。

まず、文字入力を全てATOKなどの他社製キーボードに切り替えることはできない。あくまでも、メモアプリや電話帳アプリなど、その利用するアプリが許可した場合のみ他社製キーボードが利用できる。逆に言うと、アプリ側で「他社製キーボードを許可しない」設定となっていると、ATOKなどは動作できないということとなる。

また、パスワードなどを入力する場合もiOS標準キーボードに切り替わる。そのため、手前までATOKなどでサクサク入力していたが、パスワードの段階になって突然標準キーボードになってしまうため、こうした仕様をしらないと混乱してしまう人もいるかもしれない。

そしてもうひとつ。専用メモアプリを除く他社製キーボードアプリはハードウェアキーボードでは動作しない。具体的にはBluetoothなどで接続するハードキーボードを利用した場合は標準のキーボードしか利用できないということだ。


現在のiOS 8の仕様では他社製キーボードでハードキーボードは利用できない
(写真はイメージです)

この「3つの仕様」が意味することは、こういうことだ。
ユーザー辞書や定型文を「ATOKなどの他社製キーボード」と「iOS標準キーボード」の双方で管理しなければいけない場合がある。

これは実にめんどくさい。
セキュリティ上では正しい動きなのかもしれないが、せっかくの目玉機能であるため、利便性の上ではもう少し緩和してくれても良いのではないだろうか。

●「ATOK for iOS」にも今後の進化を望む
iOS向け文字入力アプリ「ATOK for iOS」も、まだリリースしたばかりとはいえ課題も満載である。
まず、フルキーボード(QWERTYキーボード)への対応だ。9月23日現在では、これしか利用できない。
・iPad向けにはフルキーボード
・iPhone 6 Plus向けには左右に寄ったテンキー
・それ以外のiPhoneは通常のテンキー

つまり、現状ではiPhoneでATOKのフルキーボード利用はできないということとなる。
特にiPhone 6 Plusユーザーは両手で文字入力することも多いので少々不便だろう。ただ今後、キーボード形状は追加する予定があるそうなので、期待して更新を待ちたいところだ。

また、文字入力でもちょっと困ることがある。文字を入力していると、実際に文字を入力するべき画面上にリアルタイムで反映(インライン入力)されないのだ。一昔前のガラケーごとく、文字を入れる、変換したのちに、確定してからでないと実際の入力欄に反映されない。これでは少し長い文を一気に変換させるときに、変換した文章全体がよくわからなくなってしまう。これも修正されて欲しい点だ。


メインの画面上にはリアルタイムで入力したひらがなが出てこない(インライン入力できない)

●「ATOK for iOS」はいつ買うか?
ちなみに、この「ATOK for iOS」はアプリとしてはやや高額な部類でもあり、1,500円(9月23日現在)となっている。現在は、まだリリースされたばかりであり、今後の更新で改善されるだろうが課題も多い。
そのため、お試しでちょっと入れてみたいという場合は、もう少し様子をみたほうが良いだろう。

また、今回リリースされたのは買いきり版(スタンドアローン版)である。
「ATOK for iOS」は、最近、人気を集めているパソコンやAndroidスマートフォン合計で最大10台まで利用できる月額制の「ATOK Passport(月額286円〜476円 税込)」には対応していない。現在「ATOK Passport」版を契約しているユーザーも対応されるまで待つか、悩みどろこだろう。

それではいつ買えばいいのだろうか?
実は、「ATOK」はアップデートが多く、このアップデートで機能を改善するアプリである。Android向けATOKアプリも多くのアップデートを経て、現在の快適な環境となっているのだ。
つまり、「ATOK for iOS」アプリの更新をみて必要な機能がサポートされたタイミングで購入をきめることができる。例えば、iPhoneにおけるフルキーボード対応など、求めている機能が追加された時点で購入すれば、満足度もアップするだろう。

逆に、パソコンやAndroidスマートフォンなどでもATOKを利用しており、今後iOSでもATOKを利用することが確実な人は、今後の更新に期待しつつ、今購入してもいいだろう。
理由は、現在の「ATOK for iOS」の変換精度は完成されていると言えるからだ。iPhoneのテンキーでメールなど長文をよく利用するユーザーであれば、「今」買っても、十分にiPhoneやiPadの文字入力を快適にしてくれるだろう。

ATOK for iOS|ジャストシステム
布施 繁樹