小南泰葉が4月1日(火)約半年ぶりの最新EP『怒怒哀楽』のレコ発記念ワンマンLIVE「“怒怒哀楽”劇」を開催した。

独自の企画を打ち出して開催しソールドアウト、クリエイティブな演出としても大きなインパクトを残す試みとなった。今までも「映像・曲順・文字、全てが反転」「メイド喫茶&パビリオン」「藁人形奉納」など必ず独自の企画や演出を盛り込んでファンを楽しませるのが定番化している小南泰葉のワンマン。期待値もあってか前回に続きこのclubasiaでの東京ワンマンも当日にはソールドアウトとなった。

今回は新作の「怒怒哀楽」が“感情の解放、爆発”をテーマに制作されているだけにさらなる感情表現の手法として「劇」にトライ。劇団四季に永年在籍、独立後もゆるぎない活躍を続けている下村尊則氏の出演・プロデュースによる『リトルマーメイド』をライブの冒頭と終幕に大胆にフィーチャーする構成となった(実際は逆で、小南泰葉は“劇の休憩時間”にライブを行っているという設定)。開演時、下村氏演じる下半身がタコの“海の魔女“アースラの登場に大きく予想を裏切られ、いったい何が始まるのかと釘付けなったオーディエンスの姿も多く見受けられた。

ライブの前半は情感や痛さが心にしみてくる彼女の声、言葉をきっちり届けるアコースティック編成で進行するが、後半は人気曲『噓憑きとサルヴァドール』『誰かの“死にたい”を”生きたい”に…』というMCとともに始まった『3355411』を中核に、パワフルさを増したヴォーカルと強力なバンドの一体感で観客を魅了。

「みんなと盛り上がりたいと思って」と、現在制作中の超アッパーな新曲『蜘蛛の糸』を挟み、『世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄』まで一気に19曲を駆け抜けた後、衣装を変えマーメイド役として再登場。愛を切望し人間になりたいがゆえに自分の声を魔女に差し出す、という役を自分の生きざまに重ね、演じきった。「大変だったけどすごく身になるものがあったし、さらに色んな表現に挑戦したくなった」(小南)。人魚から人間になってそのままステージから走り去ったその終幕はどこに続いていくのか、

感情を曝け出し、力強く動き始めた彼女の次なる動きに期待したい。また昨夜の「次もバンドでツアーをやります」というステージMCを受けて、次の東名阪ツアーが本日(4/2)発表となった。チケット情報など詳細はオフィシャルHPで後日発表していく。(撮影:田中聖太郎)