また、本作の主人公・堀越二郎については「堀越二郎さんと僕自身が共通するのは”夢を形にしていく”仕事をしているところ。そこはすごくわかるし、自分の実生活にも通じるものがあります。素の自分のままアフレコをやったところを宮さんが喜んでいたので、やっぱりそうなんだなと。アニメや映画を作るということと飛行機を作るということは、作るものは違えども、夢を形にすることは同じ仕事なのだと強く思いますね」と自身とリンクする部分を明かし、「2時間を超える長編をつくるというのは、体力的にも精神的にも本当に大変な作業です。ラストシーンは正直感動しました」と本作への手応えを語っていた。

なお、鈴木プロデューサーは「役者さんでは演じることのできない存在感です。映画を設計する監督と飛行機の設計士、作るものは違うが共通点もあると思いました。こじつけですが(笑)」と庵野氏の起用理由について説明。宮崎監督作品としては2008年公開の『崖の上のポニョ』以来、約5年ぶりの新作となる『風立ちぬ』は、監督自身が模型雑誌『月刊モデルグラフィックス』で連載していた漫画を原作としている。ゼロ戦を設計した主人公・堀越二郎の空に憧れた少年時代から、飛行機の仕事に携わろうと思った矢先に訪れる戦争の時代を通した彼の生涯が描かれる。音楽は久石譲が担当。昨年12月の発表会でスタジオジブリの鈴木プロデューサーは「宮崎駿監督が戦争ものに対して非常に造詣が深く、ゼロ戦を設計した人の生涯の話に、堀辰雄の恋物語をドッキングさせたらどんなお話になるだろう。そういうことから始まった」と本作を説明していた。

(C) 2013 二馬力・GNDHDDTK