「ゼクシィ」(リクルート)10月号付録は「妄想用婚姻届」。相手がいてもいなくても、妄想するのは超楽しい!

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交際五年目の彼女の部屋にあると焦る雑誌ナンバーワン「ゼクシィ」。
そんなゼクシィ10月号の付録は、提出用・ホンモノ婚姻届と妄想用・にんまり婚姻届です!

妄想用婚姻届は、その名の通り妄想を書きつづる婚姻届。当たり前ですが法的には正式な書類ではありません(ホンモノの方は実際に提出できる)。
ピンクで印刷された妄想用婚姻届には、合わせて11個の質問欄と誓いを記入する欄があります。
「相手の呼び名」
「休日のふたりの時間・過ごし方」
「理想の献立」
といった、想像するとウキウキしてくるような質問から、
「老後の過ごし方」
「夫婦間での決まり事および約束事」
「家事の分担」
などなど、破ったらもめごとになりそうな質問まで揃ってます!
もちろん「これでお願いしますネ」と相手に一方的に押しつけるものではなく、あくまでも「二人の新生活への妄想」。注意事項にも、「記入時に必ずふたりで会話をしながら妄想ください」とあります。
編集部の二人による記入例も、男性編集者・女性編集者がそれぞれ新郎新婦になりきって書いています。

特に目を引く質問は「夫が帰宅したとき」。回答欄には3つのチェックボックスがあり、「ごはんにする?」「お風呂にする?」「それとも……」というおなじみのやりとりがすでに印刷されています。
この欄を見た瞬間、脳内にカップルの姿が駆け抜けていきました。
「えー、やっぱこれだろ(笑いながら一番最後の選択肢にチェック)」「やだーもう! えっちなんだから!」「イイじゃん、照れんなよー」……………。
7番目の質問欄「毎日のキスの有無・数」もなかなかクるものがあります。見本では全てのチェックボックスにチェックを入れて、「計1日10回」と書いてました。てっきり「キス」ってアレの婉曲表現だと思っていたので、「1日に10回もできるものなのか…」「あっ、これ違う、文字通りの意味だ!」とアワアワしましたね! 完全に深読みしてた!

妄想用婚姻届、実はちょっとバカにしてました。「結婚するくらいの相手ならこれくらい先にわかっとこうよ!」とか、「男の人は引いちゃうんじゃ?」とか、「妄想と現実比べるの辛い!」とか、「なんか怖くない?」とかとか。
でも実際やってみると超楽しい……。相手がいなくても、質問を眺めているだけで物凄い勢いで夢が膨らんでいきます。脳内に住んでいる堺雅人似の石油王を召喚して会話(「家事の分担どうするー? 私がご飯作るから、石油王くんはお皿洗ってくれるー?」「もちろんいいよ!」)をしていると、脳内物質がドバドバ出てきます。
特集「結婚準備『本命』ダンドリ」を読むと、結婚までには「準備しなければいけないこと」や「計画しておかなければならないこと」が山のようにある(数えてみたら「自分の親に結婚を伝える」から「花嫁の手紙、新郎の謝辞を書く」まで78個もあった!)。
その過程でケンカが増えたりマリッジブルーになったりすることもそりゃあもうよくあることだそうで、ピリピリする前に脳内幸せ物質で和ますのも効果的なのかも。こういう「ごっこ遊び」的いちゃいちゃが苦手な人は多いかもしれませんが、あんまり冷たくしないで付き合ってもらえるとありがたいです!

…にしても、ゼクシィ、むっっちゃ重い!(3kg越え!)
書店で購入すると専用の不織布袋(水色でカワイイ)がもらえるのですが、おそらくビニールでは破けてしまうのを考えてのことでしょう。とにかく重くて厚い…。これが結婚の重み…。
1500ページオーバー、全ページフルカラーで、婚姻届だけじゃなく結婚式の見積もりブックやキッチンタイマーもついて、そんでもって500円(※首都圏版)。どういうことなの…とビビりましたが、中を読んでいくと納得。これ、大部分がいわばカタログになっているんですね。
特集や読み物的ページはだいたい250ページくらいまでで、残りはドレスや式場、写真、家具など、ありとあらゆる結婚に関する店舗の紹介(広告)になっています。その数なんと500社以上。さすがリクルート。
個人的にはこれ一冊だけで十分お腹いっぱいなのですが、ゼクシィ的には「四冊続けて読むと、結婚式までに知っておきたい基本情報やノウハウが分かるようになっています」とのこと。こんだけ読んでも折り返しにも至っていない!
でも、この厚さと重さを読み込めないくらいの気持ちでは、結婚なんてできないのかもしれないですね。2chの家庭板や既女板を読んでいても、結婚式での確執はその後ずーっと引きずるパターンが多いようです。2000円でそのリスクを避けられると思えば、なかなかいい投資と言えます(万が一避けられなかった場合は凶器としての使用も可)。
ちなみに先々月のゼクシィの付録はビスケット型メジャー。先月は「乙女すぎる」ドライバーセット。今月は(婚姻届と)「可愛すぎる」キッチンタイマー、来月は計量スプーン&パスタメジャーなので、確かに四冊買うと住環境も食環境も豊かになるような付録のラインナップです。
ファッション誌とは違って、ゼクシィの読者は短いスパンでまるまるごそっと入れ替わります。どのタイミングで入った読者でもきちんと情報を得られて、付録のジャンルもまんべんなくゲットできるような状態を維持して、かつ少しでも新しい情報を載せるのって、なかなか難しいこと。先月のドライバーセットなんて、編集者が「良い付録が思いつかない!!」と悩みまくり、「! ドライバーだ!!」と閃いた様子が見えてくるようです。そういう格闘を二十年のあいだ続けているからこそ、ゼクシィは支持されてるのかもしれませんなー。
(青柳美帆子)