AKB48のモバイル達人は？ AKB48公式モバイルサイト５周年記念イベントレポート
はたしてこれらエキレビライター陣のアイデアが、本当に公演に反映されるのか？ 誰かが見届けなきゃいかんだろう。ということで急遽、不肖近藤が愛知から上京、AKB48劇場に向かったのだった。いやいや、今回はAKBファンとしてではなく、あくまでジャーナリストという立場での取材ですから！（キリッ）
当日、高速バスで上京したぼくは、18時半すぎにAKB48劇場に到着。開演30分前とあって、すでに劇場ロビーには観客たちが列をつくって待機していた。ちなみにAKBの劇場公演のチケットを手に入れるには、チケットセンターに事前応募して当選する必要がある。いまやどの公演も応募が殺到し、今回の公演もじつに64倍もの倍率だったという。
さて、今回の記念公演で上演されるのは、現在４組あるAKBのチームのうち「チームK」による「RESET」公演。AKBの劇場公演のなかでもロングラン記録を更新中の人気のセットリストだ。チームKには、先の選抜総選挙で１位になった大島優子をはじめ、チームキャプテンで最近女優としての活動も目立つ秋元才加、CMに引っ張りだこの板野友美、バラエティ番組出演の多い峯岸みなみなど、公演以外の仕事で多忙なメンバーも少なくない。ゆえに最近の劇場公演ではチーム全員がそろうことはめったになくなっている。今回も仁藤萌乃（現在、舞台「ピーターパン」に出演中）と松井珠理奈（SKE48と兼任）が欠席、藤江れいなが足のねんざのため一部のみの出演となり、その代役（アンダーという）で３人の研究生が入った。それでもこれだけメンバーがそろったのは久々だろう。
劇場に客が入ると、開演を知らせるチャイムとともに「影アナ」と呼ばれる、メンバーによる場内アナウンスがある。この日の影アナは梅田彩佳。「顔を上げて、笑ってみましょう！」と場を温めたところで、ステージの幕が開く。まず「前座ガールズ」という研究生４人（メンバーは日替わり）によるユニットが「檸檬の年頃」を披露した。アニメ『AKB0048』の作中でも研究生が劇場で披露していた曲だ。なお、この日の前座ガールズにはサイード横田絵玲奈が入っていた。ロンドン五輪に新体操団体で出場するサイード横田仁奈の妹である。
前座ガールズ出演のあと、いよいよチームKが登場、表題曲の「RESET」はじめ５曲を立て続けに披露する。ぼくがチームKの公演を生で観るのは、昨年のTOKYO DOME CITY HALLでの「見逃した君たちへ」公演（レポートはこちら）以来だが、さすがにキャパの小さい劇場で見ると迫力が違う。前出の秋元や宮澤佐江、松井咲子など長身のメンバーの多いチームKにあって、小柄ながらも大島や板野の存在感はやはり抜群だ。
最初のMCは５曲目の「ウッホウッホホ」が終わったあと、メンバーたちが自己紹介とともにお題に答えるという形で行なわれた。気になるお題は「進化を続けるモバイル、これからどんなふうに進化してほしい？」というもの。キタコレ、エキレビライターの丸本大輔さんのアイデアを反映したものじゃないですか!?
このお題、モバイル機器やネットをよく使ってるメンバーとそれほどでもないメンバーとのギャップがわかって面白かった。大島優子は「これ以上進化してほしくない」と本音をポロリ。しいて希望をあげるなら、進化して機能が増えたおかげで壊れやすくもなったと思うから、壊れにくいモバイルをつくってほしいとのこと。板野友美も同様に進化を望まない派。タッチパネルが苦手で、むしろ二つ折りの携帯電話に愛着があるとか。すかさず峯岸みなみが「ともちん（板野のこと）は、インターネットに関するギャップが大きいよね」とツッコミを入れる。それに対してともちんは、思い出したように現在CMに出演中の某高速データ通信を利用していることをアピールしていた（一応フォローしておくと、ともちんはAKBメンバーではまだ少ないツイッターユーザーのひとりで、ちょこちょこツイートしていたりするので、まるっきりネットに疎いわけではない）。
一方、ネットを使いこなしていると思われたのは梅田彩佳だ。某コミュニケーションアプリのユーザーだという梅ちゃんだが、そのアプリでほかのユーザーのメッセージを読むと、相手に閲覧したことがわかってしまうのが気になるらしい。そんなわけで「あれ、読んだのにメッセージを返さないと申し訳ない気持ちになるから、相手に読んだことがわからないようにする機能がほしい」とリクエスト。これについて同じアプリのユーザーの松井咲子も「わかる！」と共感していた。梅ちゃんはまた、AKB48のほかSKE48、NMB48、HKT48と姉妹グループのモバイルサイトにも加入しており、先の選抜総選挙では全サイトから自分に投票したという話を告白していた。何か、泣ける……。
公演ではこのあとユニット曲（チーム全員ではなく、数人のユニットに分かれて披露される楽曲）のパートのあとでMCがあった。話題はAKBのモバイルサイトの内容におよんだのだが、メンバーのあいだでは「衣装図鑑」というコンテンツがとくに好評のようだ。これは、AKBの名物スタイリスト・しのぶさんが、テレビ番組やシングル曲のために手がけた各衣装について、そのイメージやエピソードを解説したもの。
モバイルサイトにはまた、目下実施中の全国ツアーの特設ページもあり、メンバーたちが各公演についてレポートしている。チームKではこの２日後に沖縄公演を控えていたことから、「沖縄公演では、どんな写真を載せてほしいですか？」と客席から意見を募集。「沖縄といえば海、だからメンバーの水着写真を載せてほしい！」という意見はさすがにNGとなったけど。全国ツアーのページには写真や文章だけでなく、「音声ブログ」というのもあり、指定の番号に電話をかけると各公演につき１人のメンバーによるレポートが聴ける。MC中には、沖縄公演の音声ブログの担当として板野を推す声が上がった。実現したかどうか、後日モバイルサイトのほうで確認してみたい。
２回目のMCのあと、公演は後半に入り、いつものセットリストのほか、記念公演の特別企画として、大島・梅田・藤江の３人による抽選会も実施された。メンバーが数字の書かれたくじを引き、それがチケットの整理番号と合致した観客には、特典として公演終了後にきょうの出演メンバー全員と一緒に写真が撮れるというのだからなかなかの大盤振る舞い。当たった方々はおめでとうございます！
そのあともアンコールまでみっちり曲を堪能。キャプテンの秋元が「モバイルサイトは６年目に入り、これからもみなさんに情報を届けつつ提案も受けつけるのでよろしくお願いします」と一旦は締めるも、「きょうは特別」ということで最後にもう１曲、「転がる石になれ」が披露された。チームKの代表曲であり、もっとも盛り上がるナンバーだ。
記念公演ならではの趣向は終演後にも用意されていた。何と帰る前に、ロビーにて好きなメンバーから記念品（特製タオル）を受け取れるというのだ。ぼくは迷ったあげく、自分のなかでの本日のMVPということでともちんから受け取ることに決めた。もっとも、あまりのオーラにせいぜい「ツイッターいつも見てます」ぐらいしか言葉をかけられなかったのだけど。それにしてもともちんのMCでのマイペースっぷりは面白かった。以前からぼんやり気づいてはいたものの、この日あらためて彼女が意外と（そのギャルっぽいルックスに反して）天然であるという確証を得た。ひょっとしたらこれが今回の公演最大の収穫だったかも。
なおモバイルサイトでは、先述したツアーだけでなく、選抜総選挙やじゃんけん大会など各イベントの際にもいち早くレポートが掲載される。速報性の高さに加え、メンバーやスタッフ発信の企画も多い。AKB関連のメディアは数あれど、メンバーとファンがこれだけ身近に接することができる媒体はほかにないかもしれない。興味がある方はぜひ、登録してみてください。詳細はこちらからどうぞ。（近藤正高）
