バスタイムに「時短」ストレッチケア

一日の疲れの改善はちょっとした時間を有効に使いたいものです。
「一日の疲れをより効果的に解消するには、バスタイムを利用してください。温熱効果によって、短い時間でも効きめがあります」と話すのは、ボディメイク・ダイエット専門家でボディメイク指導歴25年目という実績を持つ尾関紀輝(おぜき・としあき)トレーナー。
「入浴時間に簡単にできるストレッチ法」についてレクチャーしていただきました。
■風呂の温熱効果の境目は40度
尾関トレーナーは、「入浴温度の目安とバスタイム利用の効果」についてこう説明します。
「お風呂の温熱効果の境目は40度とされています。
つまり、40度以下(38度前後)のお湯は、自律神経の一つである副交感神経が優位になります。交感神経を鎮め、副交感神経を働かせることでリラックスの度合いが高まって、眠りの質も良くなります。
ですから、お風呂では、ぬるめのお湯につかってゆっくりストレッチをすることをお勧めします。
毎日忙しくて運動やストレッチの時間を取ることが難しくても、毎日のバスタイムを利用すれば、短時間で疲労回復とストレッチ効果をセットで味わうことができます」
では、具体的にストレッチ法を教えていただきましょう。
1)デスクワークや立ち仕事の「腰張り改善ストレッチ」
湯船につかり、腰を軽く丸めて、足を三角座りにした状態で5秒〜10秒キープ。
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次に、腰と背筋を伸ばし、胸を張った状態で5秒〜10秒キープ。
これを1セットとして、2〜3セット。
2)立ち仕事や外回りの「足張り改善ストレッチ」
湯船でも、洗い場でもどちらでもできます。
膝(ひざ)を伸ばして片足を浴槽のふちに置き、太ももの裏側が軽く伸びを感じるように。
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その状態で胸を張って背筋を伸ばしながら軽く前にお辞儀をし、太ももの裏がさらに伸びたところで5秒〜10秒キープ。
もう一方の足も同様に、交互に3回を目安に行いましょう。
体が硬いと感じる場合は、膝(ひざ)を軽く曲げた状態にします。
また、椅子に座ってシャワーを浴びているときに、スペースがあれば片方の足を伸ばし、同様のストレッチを行うこともできます。
3)パソコン仕事やデジタル機器疲れ解消の「手首と腕のストレッチ」
湯船に無理のない姿勢で座り、肩まで湯につかります。
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お湯でしぼったタオルを目に乗せ、体がお湯に浮くようなイメージで全身の力を抜きます。
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片方の腕を前に伸ばし、もう一方の手で手首を反り返して5秒〜10秒キープ。もう一方の腕も、交互に3回を目安に行います。手首から腕の筋肉が伸びるのを感じるよう、ゆっくり伸ばしましょう。
最後に、
「お湯の温度が40度を超える場合は、5分以上の入浴は禁物です。血圧が高い人は特に注意が必要です。脱水症状や湯あたりを防ぐためにも、入浴の前後には水分補給をしましょう」と、尾関トレーナー。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかるとリラックスできるのは、副交感神経が働くからだそう。時間がなくても運動不足でも、毎日のバスタイムを利用すれば心身のケアができるということをインプットしておきましょう。
監修:尾関紀輝氏。AFAA認定パーソナルトレーナー。「ダイエット・ボディメイク専門のパーソナルトレーナー」の日本における第一人者。ボディメイク指導歴は20年以上、1万人超の指導実績を持つ。『きほんのダイエット』(池田書店)、『体脂肪を落とすトレーニングプログラム』(西東社)、『一日5分で変わる体脂肪筋力トレーニング』(西東社)など著書多数。http://www.ozekitoshiaki.com/
(岩田なつき/ユンブル)