体中にピアスやタトゥーを施し、大胆なヘアーと鋭い目つきで周囲を圧倒するリスベット・サランデル。故スティーグ・ラーソンのミステリー小説を映画化した『ドラゴン・タトゥーの女』(上映中)のヒロインであるこの強烈なキャラクターは、既に映画史に名を刻みつつあると言っても過言ではないだろう。現在上映中のハリウッド版では新星ルーニー・マーラが演じているが、先に映画化された本国スウェーデン版の元祖リスベットが忘れられない人も多いのではないだろうか。

【写真】鍵を握るジプシーの占い師役で、ホームズ&ワトソンと各地を駆け回る

むき出しの反抗心や攻撃性、複雑な感情の揺れ動き。スウェーデン版でリスベットを演じたスウェーデン人女優ノオミ・ラパスの徹底的な役作りと存在感はたちまち注目を浴び、ハリウッドからもオファーが続々と舞い込んだ。そんな彼女が、大ヒットシリーズの第二弾『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(公開中)で、いよいよハリウッドに進出、物語の重要な鍵を握るヒロイン役で期待に違わぬ圧倒的な存在感を放っている。

同作でノオミが演じるのは、謎めいたジプシー女性のシム。名探偵ホームズが追う事件の重要人物として登場するが、顔を見せてから間もなく、彼女を狙う刺客との格闘シーンでいきなりアクションを披露。刺繍の美しいジプシーの衣装を身にまといながら、鮮やかなナイフさばきに、パンチやキックまで繰り出してみせる。その勇ましさがリスベット役を思い出させると同時に、やはり存在感は鮮烈だ。ガイ・リッチー監督が「ノオミは度胸があるし、頭も良いし、責任感が強い。そんなところがシムにぴったりだね」と語るように、その実力や魅力がハリウッドでも遺憾なく発揮されている。

さらに今後、ノオミの名を知らしめそうなのが、あの『エイリアン』(79)のDNAを受け継ぐ作品と言われているSF超大作『プロメテウス』(8月公開予定)への出演だ。『エイリアン』の生みの親であるリドリー・スコット監督自らメガホンを取る同作で、彼女は堂々主役に抜擢されている。同シリーズでシガニー・ウィーバーが演じたヒロイン、リプリーのような役柄ともいわれているだけに、さらなる最強ヒロインぶりが期待できそうだ。確かな演技力と独特の存在感を持つノオミ・ラパス。今後はハリウッドのニューヒロインとして羽ばたいていくのは間違いなさそうだ。【トライワークス】

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