気になる新人投手へ勝手にアドバイス 【工藤公康のQ&Aコラム:Sports@nifty】

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2011年シーズンを充電期間とし、現役続行を表明している工藤公康さんによる連載コラム。Q&A形式で、プロ野球中心の質問に答えていただきました。

<質問>

今シーズンの新人投手について、気になる選手やポイント、改善ポイントを勝手にアドバイスするとしたらどんな点でしょうか?

<巨人>

澤村拓一投手は、体力もあり筋力もある選手です。

彼はこれから、多くの経験をすると思いますが、何といっても筋力で投げるのではなく、リズム、バランス、タイミングといったような、力ではなく体の軸を中心にした動きを身につけると、筋力がより生かされ、リリースで大きな力になってくれると思います。

私もこれまで多くの、筋力で投げる若い選手を見て来ました。若い時は、それでも勝つ事はできるでしょうが、30才、35才になっても勝つためには、若いうちから、30才、35才の時に備え、体のメカニズムを学び、用意しておくことをおすすめします。

<日本ハム>

斎藤佑樹選手は、やはり、ケガ!が心配です。

メカニック(ピッチングフォーム)が上体に頼っている事が多く、下半身と上半身をつなぐ体幹がうまく機能していないように思います。

下半身の股関節の可動域がうまくとれず左足が突っ張ってしまうのも、股関節の使い方か、コンディショニングのせいなのか、あるいは硬さから来るものなのか、はっきりしませんが、今のままなら上半身の負担が大きく、腰、肩、肘に痛みが出てしまうのでは?と心配です。

コンディショニングをもっと考え、疲労を早く取りのぞくことも考えてほしいものです。ストレッチやマッサージも多く取り入れてくれれば、きっと体も思うように動かすことができると、私は思っています。

何よりも、ケガ!故障といった所に行かないよう、自分の体の声を聞けるような選手になってほしいです。

<西武>

牧田和久投手は、今や西武ライオンズにとって、なくてはならない選手になっていることは、知ってのとおりです。シーズン途中から抑えにまわり、先発の時のコンディショニングと、まったく違った中で、本当に良くがんばっています。

今シーズン、壊れてしまう!ような事にはならないと思いますが、来年以降、また先発に戻った時に、一から体を作ることができるか?という事には、少し疑問があります。

チームの方針ですので、しょうがない所はありますが、彼自身の体が人並みはずれた強さであることを祈ります。

心の強さ、肩に関しては大丈夫でしょう。 ただ、彼が故障する所があるとすれば、肘、腰、膝だと思います。

オフには、そこを必ずケアするようにして、体をいたわって欲しいとも思います。

●文:工藤公康

<関連リンク>

工藤公康公式サイト -諦めない心-