――レコーディングって待ち時間が長かったりしますが、その間JAY’EDさんとはどんな会話をされたんですか？

JUJU：制作期間が2ヶ月ぐらいある中で、今の曲とは別で出来上がっていた曲はあったんですけど、なんだか納得いかないなとみんなの思いが一致して。この曲のレコーディングって、もうラスト3日しかない所でゼロから作り直したんですね（笑）。本当に地獄のような3日間で、初日でトラックとメロディを完成させて、2日目はそのメロディに対して歌詞を書くことに専念するプラス、仮歌を歌詞が書けた所からどんどん入れていく。それで映画サイドにお伺いを立てて、3日目が本レコーディングという予定でやっていたんですけど、実際は2日目の時点で全くもう一言も書けなくて。「明日書けなかったら、もう間に合いません」というプレッシャーの中で、全く出てこないまま「今日はとりあえず帰って寝て、明日もう一回ちゃんとやろう」と言って、3日目、やり始めたら最初の２時間くらいで書けたんですよ。

だから、レコーディングを始めた時には、もうみんな疲労困憊と、「いやー書けたよ、良かったよ、あとは歌うだけだよ」って、ちょっと安心感があって。書く所が一番しんどいので、歌うのはとてもスムーズでした。JAY’ED君は自身のアルバムを制作中だったりもするし、ライブも結構ハードなスケジュールの中だったので。JAY’ED君は私が歌を録っている間、寝てましたよ(笑)。

――痺れますね…。

JUJU：私もアルバム制作中だったので、痺れましたね。にも関わらず、この曲になる前の方をやっている時に、うちのディレクターが「うーん、アルバムの1曲目になるヤツが欲しいなー」とか言い出して。全員で本気で聞こえない振りして、5分ぐらい無視してみたんですけど、ずっと「1曲目に『What’s Love ?』っていう曲が出来たらいいなー、このチームなら出来る気がするなー」って。それでなくても、この曲をやるのに時間が足りないのに。みんな「何を言っちゃってるんだろう？」みたいな中でも全然「あとワンチャージで出来るよね？」とか言って。「はぁー…（ため息）」って、やることになったり。

――敢えて空気を読まずに言っているのかもしれませんね。

JUJU：彼は、全く空気を読まないんですよ。それが良さだったりもするんですけど。そんな彼がいるから、今の私がいるという（笑）。多分、彼が空気を読んだりする人だったら、こうはなっていないだろうな、というのがあるので。会社中が全員巻き込まれますね。最近は、無茶が過ぎる。気付いているけど、気付かない振りしてるんですよ、絶対に。

――ル テアトル銀座のジュジュ苑でも歌われていましたが、今回BETTE MIDLERの「The Rose｣を収録したのは、なぜですか？

JUJU：これも映画からのリクエストで、最初のオフラインの時にもう「The Rose」を使うことは決まっていたみたいで。「絶対に挿入歌としてやるので、それも是非お願いします」というお話を頂いて。

――ジュジュ苑でたくさんのアーティストのカバーをされてきましたが、JUJUさんにとって「The Rose」というのはどんな印象ですか？

JUJU：こんなに作りがシンプルな曲はなかなか無いというぐらい作りがシンプルで、それでいて名曲ってすごいというか。多分、名曲ってそういうことなのかもしれない、というのをすごく思いました。