巨悪と戦えるのか

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懲戒処分は不可避

 8日、「東京地検特捜部に在籍していた48歳男性検事が捜査で取り調べをした女性と不適切な関係にあった」件が相次いで報じられた。特捜検事本人はエース中のエースとの評価をされていたようだが、何が起こったのか。

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「男性検事は、現場の検事をとりまとめるキャップと呼ばれる主任検事を東京地検特捜部で務めていました。2023年11月に特捜部が強制捜査に着手した自民党の派閥の政治資金パーティー収入をめぐる裏金事件でもキャップを担っています」

 と、社会部デスク。それとほぼ同時期に特捜部が着手していた公職選挙法違反事件で問題が発生したという。

巨悪と戦えるのか

「男性検事はこの事件でもキャップを務めていました。キャップ自ら、関係者から直接事情を聴く中に、その後に不適切な関係となる女性も含まれていました」(同)

 不適切な関係は捜査終結後にスタートしたという。男性検事は既婚者とはいえ、その流れが事実であるならば、単なる不倫という解釈も不可能ではないため、ここまで大きく取り上げられることもなかっただろう。しかし問題は男女の関係とは別の「公私混同」である。

「両事件とは別の事件の捜査のために借りたホテルに、事情聴取が終わった後、彼女を呼び寄せて共に宿泊したこともあったとのこと。特捜検事は目立たないようにそういった場所で取り調べを行うことはままあります。が、ホテル代を公費として請求していたようで、そこにプライベートを持ち込んでしまった点で懲戒処分は不可避の模様です」(同)

女性関係については

 特捜検事は司法修習55期。2002年に検事任官。東京地検特捜部はもちろんさいたまや水戸、横浜の各地検や松山地検の三席、公正取引委員会での勤務経験などがある。

「長らく永田町でサバイブしてきた自民党の派閥にメスを入れる裏金事件のキャップを務めたほどなのでエース中のエースですね。キャップの後に特捜部の副部長をやるのだろうと思っていたら今年4月から東京高検に異動になり、あれ? 何かあったのかな? と思っていたところでした。ただ、女性関係については割と奔放というか、時代がかった言い方ですが発展家と呼ぶ人もいたそうです。特に問題がなければ将来的に東京地検特捜部長、大都市の検事正、天皇陛下の認証官である高検検事長も視野に入っていた人物です」(同)

 それまで想定されたルートを外れた時点で、最高検察庁は問題事案を把握し、決裁ラインから外す人事を行ったと見るのが自然だろう。

検事正や特捜検事が被告に

 検事をめぐる不名誉な出来事は後を絶たない。最近の話題を振り返ってみても2024年、大阪地検のトップである検事正だった北川健太郎被告が当時、部下の女性検事に起こした性的暴行事件は検察組織を大きく揺さぶった。

 2025年には、千葉地検の男性検事が過去に取り調べを担当した事件の関係者から飲食接待などを受けていたことが明らかになり、懲戒処分を受けて辞職している。2026年には、さいたま地検の男性検事が不倫相手の女性に捜査情報(前科情報)を漏洩したとして懲戒免職処分となった。また、大阪の不動産会社をめぐるえん罪事件では、取り調べ中に「検察なめんなよ」等の暴言や威圧的な態度があったとされる大阪地検の元特捜検事が裁判所の判断によって特別公務員暴行陵虐罪で強制起訴された。初公判は7月10日に開かれる。

「昔からそういう風土だったと言えばそれまでですが、大阪の元特捜検事の件は録音・録画がされている今の時代、常軌を逸していたと言わざるを得ませんし、それ以外のものも捜査そのものへの信頼喪失に直結する不祥事です。今回の件もまた、検察への信頼を著しく損なう事案となるでしょう」(同)

 それで巨悪と戦えるのか。検察への向かい風がさらに強まることは必至だ。

デイリー新潮編集部