パリ・サンジェルマン(PSG)の本拠地「パルク・デ・プランス」(パリ16区)の観客席の一部が少なくとも1月末まで引き続き閉鎖されることが決まった。3日フランス通信(AFP)などが伝えている。

 パルク・デ・プランスでは、昨年11月28日に行なわれたUEFA杯、対ハポエル・テルアビブ(イスラエル)戦の試合後、一部のPSGサポーターがイスラエル人サポーターに暴行を加え、制止に入った私服警官が発砲、PSGサポーター1人が死亡するという事件がおこった。

 騒ぎを起こしたのは、極右・ネオナチ色の濃いサポーター集団「コップ・ド・ブーローニュ」のメンバーであるとされている。PSGのサポーターは、白人が中心で人種差別的な傾向をもつ「白組」と、郊外に住むアラブやアフリカ出身の移民系が中心の「紅組」に分かれる。かねてからこの2つの勢力の抗争が絶えず、パルク・デ・プランスには、ホームのサポーターがブーローニュ側(南西)とオートゥイユ側(北東)に分かれて陣取るという異様な雰囲気がある。

 11月の事件以来、ブーローニュ側のゴール裏、最下段ブロックの観客席は閉鎖されたままになっており、今回のPSGと警察の話し合いで、この措置が少なくとも1月末まで継続されることになった。閉鎖措置は、ブーローニュ門からの入場者に対する新しいセキュリティ・システムが確立した時点で解除される見通し。

 パルク・デ・プランスでのPSGの試合は、7日のニーム戦(フランス杯)をはじめ、1月中に3試合が予定されている。サポーター死亡事件直後(12月3日)に延期となったPSG-トゥールーズ戦の日程は、当初1月17日と報じられたが、まだ正式には明らかにされていない。