昨シーズン、リーグ・アン2位のボルドー。今シーズンは王者リヨンの独走を許すまいとブレーメンからヨアン・ミクー(33)を獲得した。

 1996年から2000年までボルドーでプレーしたミクー。1998-1999年のシーズンには、31試合に出場し9得点を上げ、司令塔としてチームのリーグ優勝に大きく貢献した。その後は、イタリアのパルマ、ドイツのブレーメンと国外に活躍の場を求めた。

 ブレーメンに移籍した2シーズン目の2003-2004年には、32試合に出場し10得点と活躍。チームに国内2冠をもたらし、バイエルン・ミュンヘンを王座から引きずりおろす原動力となった。

 古巣のボルドーに戻ったミクーがシーズン開幕時に語った抱負も、リヨンが君臨するリーグ・アンで同じ状況をつくりあげることだった。ところがフタを開けてみると、チームは前半戦終了時点で8位に低迷。ミクーはベンチで過ごすことも多く、14試合でわずか2得点。かつての活躍を鮮烈に記憶にとどめ大きな期待を寄せていたサポーターは、精彩を欠くミクーに容赦ないブーイングを浴びせた。

 チームメイトからもミクーに不満が噴出した。「高慢」、「よそよそしい」など本来の自分と違うイメージを抱かれ、ミクー自身も苦しんだ。しかしそれもやがて、お互い思っていることを率直に語り合うことで、コミュニケーションの問題は解消されたという。

 また、プレーのシステムも改善されつつある。当初は、さほどミクーの復帰を望んでいなかったとされるリカルド監督だが、ミクーをよりよく活かせるトップ下に据え、2トップに変更した。冬の補強ポイントをストライカーに絞っているのもその結果だろう。

「チームの浮沈の責任をミクーひとりに押しつけすぎる」との指摘もあるが、彼が本来の活躍ができる環境さえ整えば、と後半の巻き返しに期待するファンが多いのもたしかだ。