30代以上の欧州サッカーファンなら、ファブリツィオ・ラバネッリの名を記憶している人が多いだろう。

その髪の色から「銀狐」の異名をとった元イタリア代表のストライカー。代表では20試合に出場して9ゴールをあげている。1992年から1996年までユベントスに在籍し(111試合、41得点)、1995年の二冠(スクデッド、イタリア杯)制覇、翌年のチャンピオンズリーグ優勝に大きく貢献した。

フランスでは1997年から1シーズン半の間、マルセイユに在籍(50試合、28得点)しただけだが、ゴールへの執念と闘志あふれるプレーは、マルセイユ・サポーターの記憶に強く刻み込まれている。

その後はラツィオ、イングランド、スコットランドのクラブを渡り歩き、古巣のペルージャで2004年に現役生活を終えている。引退後は国営放送の顧問を務めるかたわら、故郷のペルージャでオリーブ農場の経営を準備してきた。38歳となる今年には、イタリアで監督資格を取得している。

マルセイユ公式サイトのインタビューに答えたラバネッリは「いいオファーがあれば考える」といまは監督就任を焦っていない。「大きな夢はいつの日かマルセイユの監督になること」と語る。

「自分が知る中でマルセイユのサポーターは最高」と振り返るラバネッリ。ベロドローム(マルセイユの本拠地)に入場するときは、その熱烈な声援にいつも武者震いがしたという。現役時代のイメージそのままの「闘将」となってスタジアムに戻ってくる日をファンは心待ちにしているはずだ。