映画「若き見知らぬ者たち」公開記念舞台あいさつに登壇した磯村勇斗(撮影・村上幸将)

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磯村勇斗(32)が12日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「若き見知らぬ者たち」(内山拓也監督)公開記念舞台あいさつで、岸井ゆきの(32)から「むき卵」と命名された。

「若き見知らぬ者たち」は、20年「佐々木、イン、マイマイン」で同年の新人賞を総なめした、内山拓也監督(32)の商業長編デビュー作で同監督が原作、脚本も担当。磯村は、豊原功補(59)演じた亡き父の借金を返済し、霧島れいか(52)が演じた「難病」を患う母麻美の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働く風間彩人、岸井は恋人の日向を演じた。

磯村が演じた彩人は、思いも寄らない暴力で命を落としてしまう。その中、福山翔大(29)が演じた、弟で総合格闘家の壮平はタイトルマッチのリングに立つ。試合のシーンは7分、長回しで撮られた。福山は「22年の10月から、約1年間、総合格闘技選手としてのスキルを学んでいった。肉体で語るべきシーンがとても多くて、兄と語るシーンもそんなに描かれていない。兄亡き後…世を離れる母のこと、あらゆる思いを拳に宿していかなければいけない作業は、単純に格闘技がうまくなれば良いというシーンじゃない。思いを1発、1発、宿していく作業は短くはなかった」と、クランクイン前の鍛錬と撮影を振り返った。

磯村は、試合のシーンの撮影時は既にクランクアップしていたが、現場に足を運んだという。磯村は「監督と話し合いながら、特に翔大には内緒で、暗いところで応援した。(演じた彩人は亡くなって物語から)いなくなるし、クランクアップした僕がいたら彼(福山)が壊れる。終わってから、会いにいってハグした」と振り返った。福山は「メチャクチャ、うれしくて…ずっと兄でいてくれた」と感謝した。

すると、岸井が、当時を振り返り「つるっと磯村勇斗さんでいてくれた」と磯村を評した。つるっと、の意味を聞かれると「(撮影時は)ヒゲ、生えていらしたから…むき卵なんだ」と笑った。この日は、あごにヒゲをたくわえた磯村は「むき卵じゃない…いつから卵キャラになったんだ?」と笑った。

舞台あいさつには、彩人の親友大和を演じた染谷将太(32)も登壇した。

◆「若き見知らぬ者たち」風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母、麻美(霧島れいか)の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いている。彩人の弟・壮平(福山翔大)も同居し、同じく、借金返済と介護を担いながら、父の背を追って始めた総合格闘技の選手として日々練習に明け暮れている。息の詰まるような生活にむしばまれながらも、彩人は恋人の日向(岸井ゆきの)との小さな幸せをつかみたいと考えている。ただ、彩人の親友の大和(染谷将太)の結婚を祝う、つつましくも幸せな宴会の夜、彼らのささやかな日常は、思いもよらない暴力によって奪われてしまう。フランス・韓国・香港・日本の共同制作作品でもあり、企画の段階で海外3つの国と地域での配給が決定。