外国籍住民が2割超に “共生”進む群馬・大泉町

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 1990年代から、海外から労働者を受け入れ発展してきた群馬県大泉町では、外国籍の住民が2割を超えました。全国では外国人が絡むトラブルも問題となるなか、共生を続ける町を取材しました。

 群馬県大泉町では50カ国以上の外国籍の住民が暮らし、人口およそ4万人のうち2割を超えています。

 チーズ工場を営むブラジル人のビルマルさんもこの街の魅力にひかれ、移住しました。

ビルミルク ビルマル・ファリアスさん

「私は(大泉町に)12年住んでいます。(町が)好きです。大好きです。お客さんはボリビアパラグアイ、台湾、ネパール…」

 なぜこの町に多くの外国人が住むようになったのでしょうか。

 1990年代、大泉町は工場などの労働人口の不足を補うため、主にブラジルなどから外国人を積極的に受け入れ始めます。

 当初は日本の文化やルールも伝わらず、共生には程遠い状況だったといいます。

 そこで、町は対策を取ります。

職員

「日本の学校で勉強するうえで大切なことを皆さんに伝えさせていただきます」

 町はポルトガル語の通訳ができる職員らを積極的に採用し、外国籍の住民のサポートをしてきました。

大泉町 多文化協働課 福田雅美さん

「町独自のやり方でポルトガル語で日本のルールとかマナーを(外国人に)教えて、その方に自分の母国語で周りの方に知らせていただく、文化の通訳と呼んで登録制度にして。最近ですと、台風の情報を文化の通訳を通じて拡散してもらった」

 地元住民と移住してきた外国人の交流イベントも100回を超えました。

 世界の料理やサンバを目当てに全国から様々な民族・国籍の人たちが集まります。

大泉町 村山俊明町長

「今後、少子高齢化のなかで外国人の方々の労働力がなければ、日本経済は成り立たないと思っています。外国籍の方々と大泉町の住民が一つの共生モデルとして、全国に発信できるような町を目指して政策を打ち出していきたい」