受験を考えていると、秋は学校説明会や合同説明会、入試相談会といったイベントが増えます。「事前に準備して説明会に臨むとスムーズに情報を集めやすくなります」と話すのは、元中学受験塾講師で受験真っ最中の小学6年生のお子さんを持つ天海ハルカさん。志望校決定の重要な決め手として何度か足を運んで気づいたことをレポートしてくれました。

説明会の種類はいろいろ、参加費は無料!

受験生を対象とした中学校のイベントは学校説明会・合同説明会・入試相談会・学校見学会とさまざまです。

どれも参加費は無料で、親子2人での参加者が多いですが、両親と子どもの3人という参加者もちらほら見かけます。親だけ、子だけの参加者は私の見た範囲ではいませんでした。

学校によっては「保護者は最大2名まで」「子どもは現6年生のみ」といった条件を設けていることもあるので、予約の際には詳細を見ておきましょう。

それぞれのイベント内容は以下のように分かれています。

・学校説明会:入試や学校生活などの説明を行う

・合同説明会:複数の学校が集まり、ブースに別れて説明会や相談会を行う

・入試相談会:偏差値や試験など、入試に関する相談を行う

・学校見学会:説明と合わせて校内の案内を行う

この記事では、これらをまとめて「説明会」と表現します。

多くの学校は説明会を複数回行います。説明される内容はだいたい同じですが、1回目に個別で質問された内容を2回目で全体に向けて話すというようなことはあるでしょう。

私も実際に、受験生の親として娘と一緒にいくつか参加してみました。とりあえず参加するだけでも有益ですが、事前準備をしておけばよかったと思うことも多かったです。

学校説明会は予約も激戦

事前準備の必要性は予約の段階で感じました。

説明会の中には、定員が少ないものもあります。早い時期の説明会はとくに定員が少なく、コンサートチケット争奪戦のようでした。

私が初めて予約したときは予約開始から数時間後に見たらすでに満員となり、2回目は1時間で満員になりました。三度目の正直で予約開始と同時に滑り込んで何とか参加できたという感じでしたね。

多くの学校が、説明会の予約に「miraicompass」というサービスを使っています。このサービスを利用して、各学校の説明会に予約するという流れになるので、あらかじめ「miraicompass」への登録(無料)を済ませておくとスムーズですよ。

質問タイムを有効活用するため事前に考えておこう

相談会ではなく説明会でも、多くの場合は最後に個別で質問する時間があります。ですが、意外にも質問する人はあまりいません。

自分もそうだったのですが、その日に聞いた内容を整理するので頭がいっぱいなのだと思います。聞いた情報、見た現実、もらった資料…質問を考えるだけの余裕がないんですよね。

逆に言えば、聞きたいことがはっきりしているのなら、待ち時間もほとんどなしでじっくり聞けるということになります。現地で突然にはあまり思いつけないものなので、事前に気になることをピックアップしておくとよいですね。

合同説明会の個別相談は並ぶことも

合同説明会は多数の学校が参加し、パンフレットを配布したりミニ説明会をしたりするイベントです。個別相談ブースを設けている学校も多いのですが、人気校は待ち時間が発生します。長いところでは10人以上が列をなし、相談時間に制限はないこともあって、私も実際に数十分ほど待ちました。

また、合同説明会自体は予約不要でも、学校の説明や相談は整理券制というケースもあります。私の場合、11時頃に行って取れた整理券は14時からのものでした。

知りたい情報を余すことなく集めるために、早く行くに越したことはないと思います。

あらかじめ「なにを知りたいか」を明確にしておこう

中学校の説明会では入ってくる情報が多いため、事前に少し準備をしておくと得られるものが格段に増えると思いました。興味がある学校のHPなどを見て、知りたいことや不安点を洗い出しておくと、必要な情報を得やすくなるでしょう。

子どもと話して、気になることをピックアップしておくのもよいですね。子どもは食堂や修学旅行など、受験や通学には直接かかわらないことに興味を持ちがちです。親としては入試や通学について聞くべきではとも思ってしまうのですが、本人が聞きたいことを聞くのは大切だと思います。

興味を持った質問に応えてもらうと、学校への好感度が上がるんですよね。好感度は受験勉強のモチベーションにもなります。

中学校の説明会は、ただ参加するだけでも役に立ちますが、能動的に行動し、せっかくのチャンスを最大限に生かしたいものですね。