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 ◇ナ・リーグ ドジャース8―4マーリンズ(2024年9月18日 マイアミ)

 ドジャースの大谷翔平投手(30)が18日(日本時間19日)、マーリンズ戦の初回に今季49盗塁目の二盗を決め、前人未到の「50―50(50本塁打、50盗塁)」にあと2本塁打、1盗塁に迫った。チームも競り勝ち、90勝に到達。優勝マジックを7、12年連続のポストシーズン(PS)進出へのマジックを1とした。19日(同20日)の同戦でメジャー7年目で自身初となる「10月の戦い」への挑戦権を勝ち取る。

 珍しくスタートが遅れたが、セーフをもぎ取った。初回。先頭打者で左前打を放った大谷は、続くベッツの初球に二塁を果敢に狙った。捕手フォーテスの送球がそれ、今季49盗塁目の二盗に成功。2001年のイチロー(マリナーズ)以来となる日本選手2人目のシーズン50盗塁に、あと1に迫った。

 先発左腕ウェザーズは「人生で初めてクイックモーションで投げた」と警戒を高めていたが、フォーテスは「急いで投げようとしてうまく球を握れなかった」と悔やんだ。大谷の盗塁はこれで26回連続成功。失敗はわずか4度で盗塁成功率は驚異の92・5%を誇る。デーブ・ロバーツ監督は「良い送球だとアウトになると思った。ただ、スピードがあるからフォーテスは送球を急がなければならなかった」と分析した。

 その後の4打席に凡退し、「50―50」まであと2本塁打、1盗塁で試合を終えた。普段から相手投手を徹底的に研究。個人記録ではなく、チームの勝利のために走り続けてきた。かねて「高い確率でセーフになる時にはもちろん行っている」と語る努力のたまものだ。パドレスの選手だった06年に記録した自己最多49盗塁に並ばれた指揮官は「明日(マイアミ)か本拠地で(自身の)記録を破ってくれることを願っている」と期待した。

 優勝マジックは1つ減って7となった。PS進出マジック対象チームであるブレーブス、メッツが敗れればPS進出決定だったが、いずれも勝ったため、同マジックは1。19日(日本時間20日)のマーリンズ戦に勝てば、メジャー7年目で初のPS進出が決定する。

 8―4で勝利したチームは90勝に到達。コロナ下で60試合制だった20年を除き、13年から11シーズン連続となった。12年連続でのPS進出が目前に迫ったロバーツ監督は「我々は勝ち続けるという点で野球界で最高の組織の一つ。数々の逆境を乗り越え90勝に達した。(PS進出が)実現すれば祝うべきこと」と真剣なまなざしで言葉をつないだ。

 大谷はこの日がメジャー通算865試合目の出場で、PS未経験の現役選手では最多。866試合目で終止符を打ち、悲願の優勝へと突き進む。(柳原 直之)

 ≪過去最高は「50」連続≫盗塁連続成功でのメジャー1位はビンス・コールマン(カージナルス、88〜89年)の50だ。イチロー(マリナーズ、06〜07年)の45が2位で、トレー・ターナー(フィリーズ、22〜24年)の41が3位となっている。

 ≪日本選手最多はイチの「56」≫日本選手最多の盗塁数は01年のイチロー(マリナーズ)の56。大谷が50に到達すれば日本選手では同年のイチロー以来、史上2人目となる。