【京成杯AH/追い切り診断】脚力上位の実力馬に「B」の辛口評価 反応の乏しさ目につき、“いかにも休み明け”な感

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第69回京成杯AH(8日/GIII、中山芝1600m)には桜花賞、NHKマイルC2着のアスコリピチェーノ、中山マイル巧者・エエヤン、サマーマイルシリーズ2戦連続2着のディオなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「エアファンディタ」を取り上げる。

■エアファンディタ

【中間調整】洛陽S、都大路Sとレベルの高いリステッドレースを2勝。重賞では勝ち負けになっていないが、流れに恵まれなかった面もあり、ハンデGIII戦なら上位争いできるだけの能力はあるはずだ。今年は本来京都金杯から使われるはずだったが、脚元の違和感があり(発表はハ行)登録だけで取りやめ。その後、飛節炎が判明して長期休養に入った。
春夏としっかり休んで英気を養い、メドが立ったことから8月半ばから乗り込みを再開。1週前のCW併せ馬では終いにグイグイ追われ、まだ体を持て余すような面はあったものの外から追走して併入に持ち込んだ。
【最終追い切り】レース当週はCWで3歳牝馬サフィラ(ローズSを予定)を外先導する併せ馬。道中はまずまずリズミカルに動けていたが、相手が迫ってくるとスッと対応できず、結局2馬身の遅れ入線に終わっている。
【見解】1週前、最終追いと負荷そのものはしっかり掛かっており脚元や体調面は問題なさそう。ただし最終追いで見せた並ばれてからの反応の乏しさは、いかにも休み明けを感じさせるもの。相手が稽古掛けするタイプだったとしても、もう少し格好をつけて欲しかった感は否めない。地力からハンデ58キロは仕方ないとして、開幕週の馬場は差しタイプのこの馬にとっていかにも厳しい。状態面も含め、推しづらい1頭だ。
総合評価「B」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。