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(MCU)『&ウルヴァリン』では、ヒュー・ジャックマンによるウルヴァリンが再登場する。この個体は、かつて自身の世界を失望させる失態をおかし、自己嫌悪に陥っていた。映画では、このウルヴァリンの過去に何があったのかが語られるのだが、その詳細が映像で描かれることはなかった。

監督のショーン・レヴィは、この演出にかけた想いについて明らかにしている。監督によるコメントとともに、その意義を考えてみよう。

この記事には、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。

この記事には、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。

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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『デッドプール&ウルヴァリン』でデッドプールは、『LOGAN/ローガン』(2017)で英雄となったウルヴァリンとは別の個体と出会う。「最悪のウルヴァリン」であるという彼は、過去にX-MENに馴染もうとせず単独行動を取り、ミュータントたちに危機が訪れていると知りながら逃げ出していた。その不在中、“ミュータント狩り”によって仲間たちは全滅。ウルヴァリンはこの戒めとして、X-MENのスーツを常に着用していたのだった。

劇中でウルヴァリンは過去の出来事が呪いであるように苦しめられていた。カサンドラ・ノヴァが能力を使ってその頭の中に入り込むと、彼は石碑のようなものが並ぶ草原で、仲間のミュータントたちが絶命する声を聞きながら、ただ一人無力感に苛まれていた。ウルヴァリンの悪名高い過去について映像で描かれたのはこのシーンだけで、どんな人物たちが、何によって、どのように殺されていったのかが詳細に写されることはなかった。

監督のショーン・レヴィは、この“X-MENの死”を映像化することについて検討したと認めつつ、採用には至らなかった理由を米に語っている。

「結局は、サウンドスケープとサウンドデザインで描くことになりました。確かに話し合いはしましたね。しかし最終的には、ローガンを思い悩ます形としては、そのキャラクターたちの死はこの物語にとって重要ではないと思ったのです。だから、彼に集中することを選んだんです。」

ウルヴァリンが壮絶な過去を抱え、その自責から逃げ続けつつ、感情的な負のスパイラルに落ちいていることは、ヒュー・ジャックマンの演技によって十分に表現されていたと言えるだろう。確かにX-MEN全滅のシーンを映像化すれば、それは即ちX-MENキャストたちがカメオ登場を果たすということになる。ウルヴァリンの過去は悲劇的なものでなくてはならないのに、観客はX-MENキャストたちとの再会を喜んでしまうことになり、シーンの意味合いが大きく変わってしまうことになるだろう。X-MENの死は断末魔の叫び声だけで表現し、あとはヒュー・ジャックマンの迫真の演技力に委ねるというのは、この映画にとって最善の方法であったに違いない。

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