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ドラマ「スター・ウォーズ:アコライト」の最終話となる第8話がで配信となった。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』から100年前が舞台の本シリーズでは、双子のオーシャとメイの謎、ジェダイにまつわる不都合な真実、謎のマスク男ストレンジャーの脅威が描かれてきた。ついにシーズン完結となる最終話、セリフの意味やファン驚愕のサプライズについて見てみよう。

この記事には、「スター・ウォーズ:アコライト」最終話のネタバレが含まれています。

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「スター・ウォーズ:アコライト」の最終話で、双子のオーシャとメイが魔女によって“フォースの集中”を用いて創り出されたと信じるマスター・ソル。オーシャに成り変わったメイに真実を伝えようとするが、メイは隙を突いて脱走。ソルとの追走劇を繰り広げると、2人はブレンドクに不時着する。

一方、ストレンジャー/カイミールと行動に共にするオーシャは、ダークサイドの訓練を提案され心揺れる。未来視の中でソルを殺害するメイの姿を見ると、これを止めるためカイミールと共にブレンドクへと発つ。

©2024 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved. ダース・プレイガスの登場

ここで飛び立つ船を岩陰から覗き見ていた恐ろしい影は、ダース・プレイガスであると考えられる。プレイガスは『スター・ウォーズ』史上最も強大なシスの暗黒卿であり、あのダース・シディアスの師である。ミディ=クロリアンを操って生命を作り出すことができたといい、その知識をシディアスに伝えたため殺害される。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で、シディアスが「君は賢者ダース・プレイガスの悲劇を知っているか」とアナキンに語っていたものだ。

言わずもがな「アコライト」最大のミステリーは、アニセヤら魔女たちがいかにしてオーシャとメイを作り出したのかということだ。どうやら、そこにはダース・プレイガスの物語が関わっていたということらしい。もしかするとプレイガスは、自らの都合よく進むよう、全ての物事を裏で見ていたのかもしれない。

火事によって16年前に消失した魔女の集落跡地を歩くソル。そこにストレンジャーが出現し、ライトセーバーの一騎討ちに。『シスの復讐』アナキン対オビ=ワン戦の前半や、『エピソード4/新たなる希望』ダース・ベイダー対老オビ=ワン戦を彷彿とさせる殺陣を展開する。その頃、オーシャとメイも再会を果たし、母とソルの事件の真実を巡って格闘戦になる。

©2024 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved. 過去作へのオマージュとなるセリフたち

ストレンジャーと戦うソルは、「必要とあらばお前を殺す(I will destroy you if I must)」と発するが、これはルーク・スカイウォーカーと対峙したダース・ベイダーの「私にお前を殺させるな(Don't make me destroy you)」や、アナキン/ベイダーと戦わざるを得なかったオビ=ワンが『シスの復讐』と「オビ=ワン・ケノービ」で合計2回放った「私は義務を果たす(I will do what I must)」と呼応するようで、細かなオマージュが感じられる。

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さらにその後、ソルのライトセーバーを奪ったメイにストレンジャーが投げた「打ち倒せ それで旅が終わる(Strike him down, and your journey will be complete)」という言葉は、『エピソード6/ジェダイの帰還』で、ルークに対してエンドアの同胞を罠にかけたと明かした時のシディアスの言葉とも一致。「憎しみのままに私を打ち倒せ そうすれば暗黒面へ入ることができる(Strike me down with all of your hatred, and your journey towards the dark side will be complete)」というものだ。ちなみにその後、ルークはベイダーと戦うが、トドメを刺すことを拒否する。それと同じように、メイも無防備になったソルへの攻撃を断っている。

オーシャは、自身とメイがフォースによる人造的な命だったこと、そしてソルが母親を殺した真犯人であったこと、そのことをずっと秘匿されていたことによって感情を制御できなくなり、怒りに身を任せることで暗黒面の力を覚醒。シスの技であるフォース・チョークでソルを殺害してしまう。青色だったソルのライトセーバーが、オーシャの掌握によって赤色に変化したことに驚いた方も多いだろう。

基本的にライトセーバーの色は、ヒルトに収容するカイバークリスタルの色によって決定するものだ。しかしシスの赤いライトセーバーに限っては、ジェダイから奪ったセーバー内のクリスタルが、元持ち主との関係性が絶たれたことでダークサイドに捻じ曲げられ“血を流し”赤く染まる、という新設定が小説「アソーカ」から加えられている。この設定が判明した2016年当時はを起こしたものだが、これが初めて実写で描かれたシーンとなった。

自身の親に関する衝撃な事実を知ったメイとオーシャは、トンネルを通じて脱出する。これは、『エピソード5/帝国の逆襲』クラウド・シティでダース・ベイダーが肉親であると知ったルークが、トンネルに吸い込まれて逃げ出したのと似た展開である。

光と闇が交錯する

その後、オーシャはカイミールの元で暗黒面の技を学ぶことを決意し、メイは火事に遭った8歳以降の記憶を消されて解放される。光と闇は表裏一体であり、いつどのようなきっかけで転覆するかわからない。『スター・ウォーズ』で度々描かれた題材が、「アコライト」でも再現された。光の側だったオーシャは闇に転じ、逆に闇の側だったメイは今ではどちらかといえば光の側に寄っている。

保護したメイを守る立場となったジェダイ・オーダー幹部ヴァーネストラ・ロウは、一連のジェダイ殺害事件は全てマスター・ソルの犯行だったと、亡き友に濡れ衣を着せることで、さらなる捜索を避ける。ジェダイの隠匿を、また別の隠匿で葬ろうとするのが皮肉だ。

さらに、ロウはかつてカイミールのマスターであったことも示唆される。ここでロウはカイミールについて「私の元弟子。悪に寝返った男よ(A pupil of mine before he turned to evil)」と話しているが、こちらも『新たなる希望』で元弟子アナキンについてオビ=ワンが語った「私の弟子だったダース・ベイダーというジェダイが……(A young Jedi named Darth Vader, who was a pupil of mine until he turned to evil)」というセリフと同じだ。この最終話は、『スター・ウォーズ』過去作映画への密かなオマージュの応酬となった。

マスター・ヨーダの登場

エピソードの最後にはサプライズが登場。カイミール捜索に乗り出そうとするロウだが、その前にとある人物の元を訪れる。「ご相談が」と持ちかけた相手は、間違いなくマスター・ヨーダ。その姿は、旧3部作の伝統的なパペットによるものに見える。

「アコライト」は『ファントム・メナス』から約100年前。『エピソード2/クローンの攻撃』や「クローン・ウォーズ」よりもさらに若いヨーダということで、この頃も機敏な戦いが可能だっただろう。

「アコライト」監督のレスリー・ヘッドランドは、ルーカスフィルムからヨーダを登場させても構わないと伝えられていたが、あえて断って別のキャラクターに焦点を当てたと。最終的にヨーダをサプライズに据えることで、ファンの期待の一つに応える形となった。

全8話が終わったが、メイとオーシャの運命は絡まり合ったまま。今度はロウとカイミールが中心的な立場となり、そこにマスター・ヨーダもいよいよ加わってくる。このシーズンは『羅生門』形式でオーシャとメイの過去編を描くことに時間を費やした、序章といった印象だった。今後ますますの盛り上がりが期待されるが、現時点で正式なシーズン2の情報は届いていない。

もっとも、ヘッドランド監督はシーズン2にも意欲的。カイミールの背景など、さらなる掘り下げを試みたいと。

「スター・ウォーズ:アコライト」はディズニープラスで配信中。

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