近年、教育現場では「子どもたちが自分で考えることの大切さ」を説かれるようになっています。昔のような先生の独り舞台ではなく、子どもたちに積極的に発表させたり、グループを作って話し合わせたりするのです。

 こういった教育の目的は「自立した思考力」を身に着けてほしいため。となれば、今回の「18÷0」の問題に関しては、思考力を育むための絶好のケースといえるのではないでしょうか。最高のケーススタディでも、出題側のリテラシーによっては、うまく使いこなせない場合がある。今回はそれが如実に表れた例なのかもしれません。

 今回の問題については、結局「子どもの思考力を阻害しないことが大事」という結論になりました。教育現場も同じ方向を向いているはずですが、その実情はまだまだ発展途上の印象。先生と生徒、教育の未来はどちらを向いているのでしょうか。

―[貧困東大生・布施川天馬]―

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa)