「妻たちの犯罪」横行に神経を尖らす北朝鮮の秘密警察
北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)が4月を「違法行為撲滅の月」と宣言し、国境地域の保衛部を中心に強力な内部取り締まりを予告したという。
デイリーNKの北朝鮮内部情報筋は17日、「今年第1四半期の保衛部の事業報告によると、一部の国境地域の保衛部で、中国から密輸された携帯電話を事件の証拠物として国庫に保管したり焼却したりせず、これを私的に流用していたことが明らかになった」とし、「これに対し国家保衛省は今月を非法行為撲滅の月と宣言した」と伝えた。
情報筋は「これは事実上、国境地域保衛部で現れている非法行為を根絶しようとするもの」とし「国家保衛省は国境地域の保衛部が権限と地位を利用して取り締まった中国の電話を流用し、外国と秘密裏に連携して国家安全保衛部に莫大な危害を及ぼしたとし、徹底的に調査し処罰することを指示した」と付け加えた。
今回の措置は、最近、咸鏡北道(ハムギョンプクト)の会寧(フェリョン)と平安北道(ピョンアンプクト)の宜州(ウィジュ)の保衛部で、実際に不法行為が摘発されたことによるものだという。
情報筋によると、会寧と宜州では、一部の保衛員の妻らが回収された中国の携帯電話を利用し、中国、韓国、その他の外国と通話を連結する国際電話ブローカーの役割をし、1分当たり平均2元の費用を受け取ってきた事例が多数摘発された。
摘発された妻たちがどのような処罰を受けたかは詳らかでないが、外国の携帯電話使用は場合によってはスパイ罪にもなる重罪だ。
これが中央に報告され、国家保衛省は国境地域の保衛部とその周辺の人々の中で現れている不法行為の取り締まりに乗り出したという説明だ。
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情報筋は「国家保衛省は取り締まった中国の電話を原則通りに処理せず、後に引き返して金を儲けた行為は深刻な非社会主義・反社会主義的な行動で、国境地域の秩序にも大きな脅威を与えるものだとし、大きく問題視している」とし「このため国境地域の一部の保衛員とその家族が犯した非法行為に対する徹底した調査と処罰が行われる予定」と話した。
今回、不法行為が摘発された会寧(フェリョン)、宜州(ウィジュ)保衛部は現在、国家保衛省から直接検閲を受けるという通報を受け、待機中だという。
このような中、今回の事案を知っている国境地域の住民たちは、今回の措置が国境秩序の確立に対する国家保衛省の意志を示す事例だとし、保衛員とその家族に国家保衛の義務と責任を改めて悟らせる重要な契機になるだろうと評価していると、情報筋は伝えた。