(※写真はイメージです/PIXTA)

写真拡大

なかなか聞けない給与事情。本記事では厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』などとともに、「高給取り」と呼ばれる人々のお金事情を探っていきます。

やっぱり高給「銀行員」平均給与を大幅に上回る

東京商工リサーチ『国内69銀行「平均年間給与」調査』によると、国内銀行69行の平均年間給与は617万8,000円(中央値613万7,000円)。業態別に見ていくと、大手行が793万4,000円、地方銀行631万6,000円となっています。さすが大手、といったところでしょうか。

年間給与のトップは、1位「あおぞら銀行」869万6,000円。2位は「三井住友銀行」842万8,000円となっています。

国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査結果』によると、一般的なサラリーマンの平均給与は458万円です。平均額よりも160万円ほど上回っている現状をみれば、「銀行=ガッチリ」は間違いないといえそうです。

銀行員の働き方については、2020年、みずほ銀行が週休3日・4日制を導入したことも話題になりました。増えた休日を副業や自己研鑽の時間にあてたり、育児や介護の時間とできたりといった魅力はありますが、週休3日では給料はおよそ8割、4日では6割になることも報告されています。先の見えない現状、稼げるうちに稼いでおきたいというのも一意見として存在しています。

そのほか、高給取りと聞いて思い浮かぶのは「医師」。勤務医か開業医かで大きく年収の差が開きますが、厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』によると、勤務医(10人以上の規模/平均年齢44.1歳、平均勤続年数6.2年)の平均月収(所定内給与額)は97万800円。

年間賞与・その他特別給与額は113万5,700円、きまって支給する現金給与額は109万6,100円となっています。これらを単純計算すると年収にして1,388万円1,400円。

国家資格保有者、そして人の命を担う仕事人として、納得の数字といえるでしょうか。

勤務医については、労働時間が度々取り上げられています。厚生労働省『医師の働き方改革について』(令和元年6月)によると、週の超過勤務時間、最多は「10時間〜20時間」(23.6%)。20時間以上の割合は40.5%となっています。

これはあくまで集計できている数値。勤務医の場合は「事務手続き上の不備」などを理由にタダ働きを余儀なくされていた実態も明かされています(厚生労働省『大学病院で診療に従事する教員等以外の医師・歯科医師に対する処遇に関する調査結果』)。

「労働に見合った対価」。責務とともに比例すればよいものですが、一般的なサラリーマン、そう上手くはいかないものです。実態は次のとおり。

部長「58万円」、課長「48万円」、係長「36万円」

厚生労働省のレポート「令和4年 賃金構造基本統計調査」によると、「部長」の平均賃金は58万6,200円(年齢52.7歳、勤続年数22.1年)、「課長」の平均賃金は48万6,900円(年齢48.8歳、勤続年数20.5年)、「係長」の平均賃金は36万9,000円(年齢45.4歳、勤続年数17.8年)です。

一方女性だけに絞ると、「部長」の平均賃金は52万100円(年齢52.1歳、勤続年数18.6年)、「課長」の平均賃金は43万5,000円(年齢49.2歳、勤続年数18.8年)、「係長」の平均賃金は33万7,600円(年齢45.8歳、勤続年数17.1年)となっています。

人生100年時代、定年を伸長させようとする動きがある一方で、「FIRE」(早期リタイア)を促すムーブメントも。高給取りの働き方を見れば、お金を払う側、受け取る側、双方のリアルな実態が浮き彫りになっています。