【田村修一の視点】2023年10月13日 代表親善試合 日本代表vsカナダ代表
代表親善試合 日本代表4(3−0)1カナダ代表
19:35キックオフ デンカビッグスワンスタジアム 入場者37,125人
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日本がカナダを破り、親善試合5連勝を成し遂げた。
開始早々に田中のゴールが決まり、結果は日本の快勝だったが、試合内容はスコアよりもずっと均衡していた。特に前半は、カナダがボールを保持してゲームを支配した時間帯も長く、大迫がPKをストップするファインプレーがなければ、展開も変わっていたかも知れない。終了間際の畳みかける攻撃で、日本はリードを3対0と広げて前半を終えたが、カナダにしてみれば釈然としない得点差だっただろう。
日本とカナダ、両者の違いはチーム成熟度の違いであり、その結果として現れたディテールの違いだった。8月に就任したビエロ暫定監督が指揮するカナダは、ほとんど練習時間もとれずに試合に臨んだうえ、この日が初キャップの選手も何人か起用した。
他方の日本は、「誰が出てきても勝つ。誰と組んでも機能する」(森保監督)ことを目標とし、その状態に徐々に近づきながらチームが熟成しつつある。復帰した南野や中山も、またカナダ戦が2度目のキャップだった毎熊や町田も、違和感なくチームに溶け込んでいる。
細かな修正点は多々あるとはいえ、適切な方向へ日本が向かっていることを再度確認できた試合だった。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。